こんなお悩みにおこたえします。
【この記事の内容】
- JRの往復乗車券とはどんな切符なのか、内容やメリット、買い方について紹介します。
JRに乗るとき、普通は目的地まで片道の乗車券を買いますが、往復で買うこともできます。
「往復乗車券」というもので、行きと帰りの片道乗車券がセットになったものです。
ここでは、そのメリットや買い方をまとめました。
特に、JRで遠出や旅行するときのために、知っておいて損はないです。
JR「往復乗車券」ってどんな切符?
あらためて、JRの「往復乗車券」とは、出発駅から目的駅までの行きの乗車券と、その逆方向、帰りの乗車券がセットになったものです。
実際の切符は「ゆき券」と「かえり券」の2枚組です。
出発側の駅で購入します。
出発する当日、乗車直前でも買えます。新幹線や特急列車の特急券と一緒なら、乗車の1ヶ月前から購入できます。
区間も、片道乗車券が発売されている駅までなら、自由に設定できます。
ただし、「ゆき」と「かえり」は、必ず同じ経路(ルート)を通らないといけません。
なお、新幹線と在来線が並行している区間などで一部例外があります。
例えば、東京駅~新下関駅では、東海道・山陽新幹線と在来線(東海道線・山陽線)は、同じ線路とみなすので、この区間を通るときは、行き帰り、好きな方を選べます(新幹線は、別に特急券が必要)。
このほか、全国にいくつか、ルートを選べる区間があります。
JR「往復乗車券」を買うメリットは?
長距離で割引あり。~JR「往復乗車券」の値段~
往復乗車券の値段は、単純に片道乗車券(運賃)の2倍です。
片道運賃が1,000円なら、往復乗車券は2,000円。
金額的なメリットはありません。
でも、長距離の利用になると、「往復割引」が適用されます。
具体的には、片道の距離が601キロ以上の区間を往復利用すると1割引になります。
子供は、小児運賃から1割引です。
ちなみに、東京駅~大阪駅の間は556.4キロ。割引を受けるには、けっこうな長距離を利用しないといけません。
【601キロ以上の区間例】
- 東京駅~二戸駅(岩手県)601.0キロ
- 東京駅~西明石駅:612.3キロ
- 東京駅~日根野駅:602.0キロ
- 大阪駅~博多駅:618.5キロ
例えば、東京駅~西明石駅の片道運賃は9,790円です。
往復乗車券にすると、これが1割引で8,810円(端数切捨て)に、往復は、その倍の17,620円になります(1,960円お得)。
距離が長い分、運賃も高いので1割引でも、お得感が大きいです。
ここの「距離」は、JRが決めた運賃計算用の「営業キロ」というものです。実測の距離とは違います。
「営業キロ」は、JRの公式サイトや乗換案内アプリなどで、運賃を検索すると確認できます。
また、往復割引は、学生割引(学割)と併用できます。
往復割引で1割引になった運賃が、学割でさらに2割引になります。都合28%もお得です。
学割と一緒に使える割引は、このほかにはないので、学生さんにとっては、けっこうなメリットです。
なお、学割がきくのは、片道101キロ以上ある区間を利用する場合です。
片道の有効期間が延ばせます。~途中下車の自由度UP~
JRの乗車券には、区間の距離によって有効期間が設定されています。
距離が長いほど、有効期間も長くなります。
【JR片道乗車券の有効期間】
~100キロ|1日
~200キロ|2日
~400キロ|3日
~600キロ|4日
~800キロ|5日
以降は、200キロごとに+1日
往復乗車券の有効期間は、この片道乗車券の2倍です。
当日限り有効の片道乗車券の区間を、往復乗車券にすると2日間有効となります。
例えば、大阪駅~岡山駅の場合だと、片道乗車券は2日間有効ですが、往復乗車券にすると全体で4日間になります。
大阪駅⇒岡山駅の乗車券では、途中下車ができます。
片道乗車券は2日間有効なので、例えば、岡山へ途中の姫路駅で下車して1泊してもOK。次の日は同じ乗車券が、そのまま岡山駅まで使えます。
でも、姫路で2泊したいとか、相生でも1泊したいとなると、有効期間が足りません。
こんなとき、往復乗車券にすると、「ゆき」「かえり」全体で4日間有効になるので、片道で3日間使うこともできます。
このように、往復乗車券にすることで、全体の有効期間は延びませんが、日数配分が柔軟にできるようになります。
特に、片道の期間を延ばせるのはメリットです。
これによって、途中下車の自由度も高まります。
「途中下車」とは、乗車券の目的駅までの途中駅で、改札から外へ出ることです。乗車券はそのままで、有効期間内なら再び駅に戻って目的駅までの旅行を続けられます。
片道の距離が101キロ以上ある乗車券で可能になります(「大都市近郊区間」内、特定都区市内(東京都区内、○○市内など)の範囲内は除く)。
こうした途中下車のしくみを活用することで、下車するごとに乗車券を買うよりも、運賃全体の節約になります。
なお、特急券は途中下車制度の対象外です。利用区間、列車ごとに購入が必要です。
支払いは1回、学割証は1枚で済みます。
往復乗車券は、出発地で購入が1回で済むのも、ちょっとしたメリットとだといえます。
出先で帰りの切符を買う際、時期や時間帯によって、駅の窓口や券売機が、大混雑することがあります。
また、駅によっては、無人駅だったり、発売時間が短かったり、クレジットカードやICカードが使えなかったりすることも。
予定が固まっているようなら、出発の時点で、前もって帰りの切符を買っておくと、気が楽です。
子供が電車で出かけるときに、帰りの切符を持たせておきたいときにも使えます。
あと、学割を使う学生さんの場合、片道乗車券を行き帰り2枚買うところを、往復乗車券にできれば、購入時に提出しないといけない学校発行の「学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)」が1枚で済みます。
払い戻し手数料は1枚分。
JRの乗車券は、もし購入したあとで使わなくなった場合、有効期間内で未使用の状態でしたら、払い戻ししてもらえます。
ただ、その際に乗車券1枚につき手数料が220円発生します。
行き帰りで片道乗車券を2枚購入していると、手数料は440円かかります。
でも、往復乗車券にすると220円で済みます。これは「ゆき」と「かえり」で1枚(1契約)とみなすためです。この点もメリットといえます。
「ゆき」を使用開始(出発)した後で、「かえり」を使わなくなった場合、有効期間内なら払い戻しできます。この場合の手数料は220円です。
往復割引が適用されている場合は、「ゆき」の無割引の片道運賃と手数料を引いた差額が返金されます。
JR「往復乗車券」の買い方
JR往復乗車券の買い方は簡単です。
まず、購入できるところはこちら。
- JR駅の「みどりの窓口」
- JR駅の券売機(一部機種を除く)
- JR切符を取り扱っている旅行会社の店舗
- JRのインターネット予約サイト(特急券と同時購入)
駅や旅行会社では、出発当日でも買えます。
そして、買う時に、「往復」を申告、あるいは選択するだけです。
往復割引は、片道の区間が601キロ以上あると、自動的に適用されます。
支払い方法は、発売場所によりますが、現金、クレジットカードが使えます。
学生割引(学割)を使う場合は、「みどりの窓口」か、旅行会社の窓口、JR西日本の「みどりの券売機プラス(遠隔で係員対応)」など一部の券売機で購入できます。
その際に、学校で発行してもらった「学校学生生徒旅客運賃割引証(学割証)」の提出が必要になります。
まとめ:JR「往復乗車券」とは?メリットと買い方
JRの往復乗車券は、片道600キロ以下の場所へ、日帰りや1、2泊くらいで、行って帰ってくるだけなら、それほど魅力はありません。
JRの企画切符(トクトクきっぷ)や旅行会社のJRプランの方が安い場合が多いです。
ただ、これらは発売区間が限定されていたり、有効期間が短かったり、途中下車できなかったり、出発当日に買えなかったりします。
往復乗車券は、こうしたものが使えないとき、合わないときに向いています。
特に、次の場合にメリットが出ます。
- 片道601キロ以上区間の往復するとき(往復割引=1割引)。
- 有効期間を有効活用して途中下車しながら旅行するとき。
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