こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本の「古都奈良デジタルパス」という切符を紹介します(内容、値段、発売期間、買い方、使い方)。
この秋、冬(10~2月)に、奈良観光に出かけるあなたは、JR西日本の「古都奈良デジタルパス」をチェックしてみてください。
これは、JRの2日乗り放題と、世界遺産の社寺6か所の拝観がセットになった周遊切符です。
対象のお寺や神社を参拝・観光するのでしたらいいと思います。
ただ、この「古都奈良デジタルパス」は、買い方や使い方が、ふつうの切符とは違っていて、スマホとICカードの「ICOCA(イコカ)」が必要です。
ここでは、「古都奈良デジタルパス」の内容と値段、発売期間、購入方法、利用方法をまとめました。
JR「古都奈良デジタルパス」の発売は終了しました(2024年2月28日)。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」ってどんな切符?
1人から使える周遊切符です。
「古都奈良デジタルパス」は、奈良を中心とした観光に便利なJR西日本の周遊切符です。
奈良の文化財の世界遺産登録25周年を記念して、期間限定で発売されました。
1人から買えて、使えます。
スマホとICOCAを使います。
「古都奈良デジタルパス」は、スマホとICカードの「ICOCA(イコカ)」を使う方式の切符です。
紙の切符は発券されません。チケットレスです。
「古都奈良デジタルパス」の購入と利用には、次のものが必要になります。
- インターネットにつながるスマホ
- ICカード「ICOCA(イコカ)」(WESTARポイントサービスへの登録も)
- 「KANSAI MaaS」アプリ
- クレジットカード
スマホには、「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリをインストールする必要があります。
「KANSAI MaaS(関西マース)」とは、JR西日本など関西の鉄道会社7社が共同で提供している関西でのお出かけに便利な機能をそなえたスマホアプリです。
「App Store」「Google Play」から無料ダウンロードできます。
ICOCAは、どんな種類でも大丈夫です。
JRに限らず定期券として使っているものや「スマートICOCA」、「モバイルICOCA」も使えます。
ただ、「スマートICOCA」と「モバイルICOCA」以外は、使用するICOCAの番号を、前もって登録しないといけません。
PiTaPaやSuicaなどのICOCA以外の交通ICカードは使えません。
そして、「古都奈良デジタルパス」の代金支払いは、クレジットカード限定です。
奈良、大阪、京都のJRが2日乗り放題です。
「古都奈良デジタルパス」では、下図の範囲で、JRの普通列車(新快速、大和路快速など快速を含む)を2日間乗り放題できます。
奈良だけでなく、大阪と京都も含んでいるので、旅先を広げられます。
JR京都線・神戸線 | 尼崎駅~大阪駅~京都駅 |
JR東西線・学研都市線 | 尼崎駅~京橋駅~木津駅 |
大和路線 | JR難波駅~奈良駅 |
大阪環状線 | 大阪駅~京橋駅~天王寺駅~西九条駅~大阪駅 |
ゆめ咲線 | 西九条駅~桜島駅 |
おおさか東線 | 大阪駅~放出駅~久宝寺駅 |
奈良線 | 京都駅~木津駅 |
万葉まほろば線 | 奈良駅~桜井駅~高田駅 |
和歌山線 | 王寺駅~高田駅 |
「古都奈良デジタルパス」で特急列車に乗る場合は、特急券を別に購入する必要があります。ただし、新幹線は対象外です。
世界遺産6社寺を拝観できます。
「古都奈良デジタルパス」には、「六社寺共通拝観券」が付いています。
これは、奈良時代の創建で、世界遺産に登録されている対象の神社とお寺6か所の拝観がセットになったものです。
六社寺共通拝観券の対象先
- 東大寺(大仏殿)
- 興福寺(国宝館)
- 春日大社(ご本殿特別参拝)
- 元興寺(通常拝観)
- 薬師寺(白鳳伽藍・玄奘三蔵院伽藍)※1月16日以降は白鳳伽藍のみ
- 唐招提寺(通常拝観)
拝観は、各社寺1回ずつです。
それぞれで、拝観御礼品がもらえます。
また、希望の場合、有料ですが、期間限定の特別御朱印を受けられます。
※各社寺とも、出かける前に最新の拝観時間など確認してください。共通拝観券を利用できなく(利用しなく)ても返金はありません。
対象の世界遺産6社寺は、すべて奈良駅の周辺にあります。移動には、路線バス(奈良交通)が便利です。
「六社寺共通拝観券」の利用者は、バスが乗り放題の1日乗車券「奈良公園・西の京 世界遺産 1Day Pass」を割引価格で買えます(大人500円→400円)。
1日2回以上の乗車で元が取れて、お得です。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」の発売期間と有効期間は?
発売期間(買える期間)
「古都奈良デジタルパス」は、期間限定の発売となっています。
※2月28日利用開始分まで発売。
有効期間(使える期間)
※利用開始日の午前0時から最終日の終電まで乗り放題できます(最終日の翌日にまたがる場合は、下車駅の自動改札機を出るまで)。
※「六社寺共通拝観券」は、2024年3月31日まで使えます。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」の値段は?
「古都奈良デジタルパス」はどれくらいお得?
「古都奈良デジタルパス」の値段はこちら(1人あたり)。大人用のみの発売です。
大人 | 6,000円 |
この値段で2日分なので、単純計算で1日あたり3,000円です。
参考までに、「古都奈良デジタルパス」の値ごろ感をイメージしやすいように、通常の運賃や料金を挙げてみました。
【通常の運賃・料金の例】
JR | 片道運賃 |
初乗り運賃 | 140~170円 |
京都駅~奈良駅 | 720円 |
新大阪駅~奈良駅 | 950円 |
大阪駅~奈良駅 | 820円 |
大阪駅~京都駅 | 580円 |
ユニバーサルシティ~奈良駅 | 820円 |
奈良駅~法隆寺駅 | 230円 |
奈良駅~天理駅 | 210円 |
奈良駅~桜井駅 | 330円 |
奈良駅~王寺駅 | 320円 |
対象の社寺 | 料金 |
東大寺(大仏殿) | 600円 |
興福寺(国宝館) | 700円 |
春日大社(御本殿特別参拝) | 500円 |
元興寺(通常) | 500円 |
薬師寺(通常) | 1,100円 |
唐招提寺(通常) | 1,000円 |
「六社寺共通拝観券」(市販価格) | 5,000円 |
その他 | 値段 |
大仏クリップ | 605円 |
JRだけで元を取るのは、よほど乗り回さないとちょっとしんどいです。
「六社寺共通拝観券」を使ってこそ、お得感が出ます。
ちなみに、「六社寺共通拝観券」は観光案内所などで市販されていて、値段は1部5,000円します。
「六社寺共通拝観券」に、1,000円プラスするだけで、奈良、京都、大阪でJRが2日乗り放題できると考えると、激安といえます。
新幹線で奈良へ行くなら「奈良満喫フリーきっぷ」
新幹線を「EXサービス」で新大阪駅、京都駅まで利用して奈良へ向かう場合、希望すると「奈良満喫フリーきっぷ」という切符を買えます。
「奈良満喫フリーきっぷ」は、JRの「古都奈良デジタルパス」より少し広い範囲に加えて、近鉄電車、奈良交通バスも3日間乗り放題できるものです。
値段は3,500円と格安なので、おすすめです。
【注意】JR運賃はいったん支払いが必要。
「古都奈良デジタルパス」の値段には、注意点があります。
切符代の6,000円で、支払いは終わりではないんです。JRに乗るたびに、運賃が必要になります。乗り放題でもです。
実際の運賃は、毎回ICOCAの残高で支払います。
しかし、乗り放題範囲で乗った運賃は、翌月末にまとめて全額「WESTERポイント」で戻ってきます。
つまり、「古都奈良デジタルパス」利用中のJR代を、一時的に立て替えるかたちです。
金額的には損しませんが、立替分のお金(予算)を用意しないといけない点と、ポイントで返金(還元)される点は、購入にあたって、よくよく確認しておく必要があります。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」はどこで買える?(買い方・購入方法)
「古都奈良デジタルパス」は、「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリで、利用する1ヶ月前から当日まで購入できます。
支払い方法は、クレジットカード限定です。
買い方は簡単です。
「KANSAI MaaS」アプリを開いて、「チケット」のなかから「古都奈良デジタルパス」を選んで、購入手続きを進めていきます。
最初に、購入数(一人分のみ)と利用予定日を選択し、最後にクレジットカード番号を入力して終了です。ほどなく確認メールが届きます。
利用日の変更は、未使用で有効期間内でしたら、アプリ上で可能です。手数料はかかりません。
払い戻しの場合は、手数料220円が発生します。
初めて「KANSAI MaaS」を使う際は、会員登録が必要です。
登録画面で規約同意したあと、メールアドレス認証⇒パスワード設定し、あなたの基本情報を入力します。
その項目はこちら。
- 名前(漢字、フリガナ)※必須
- 電話番号
- 性別 ※必須
- 生年月日
- 居住国
- 郵便番号
- アンケート(メールマガジンの要否、興味関心)
- ICカード番号(ICOCA、PiTaPa)
名前と性別だけが必須です。これだけで「KANSAI MaaS」のほとんどの機能が使えます。
また、「古都奈良デジタルパス」の購入にあたっては、電話番号、生年月日、郵便番号、ICOCA番号が必要になります。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」の使い方は?(利用方法)
「古都奈良デジタルパス」は、利用方法(使い方)も、通常の切符やチケットレス切符とは、ちょっと変わっていますので、注意してください。
大事な事前準備(ICOCAの登録)
「古都奈良デジタルパス」を利用するには、使うICOCAの番号を、あらかじめ次の2か所に登録していないといけません。
未登録の場合は、おそくとも利用(出発)の前日までに行ってください。
- 「KANSAI MaaS」アプリ
- 「WESTERポイントサービス」(スマートICOCA、モバイルICOCA以外)
ICOCAの番号は、カードの裏に記載されています(モバイルICOCAは管理画面に)。
「KANSAI MaaS」アプリでは、「マイページ」で登録できます。
「WESTERポイントサービス」への登録は、次のいずれかで行えます。
- スマホアプリ「WENTER」
- JR西日本公式サイト「WENTER会員サポート」ページ(パソコンからもOK)
- JR西日本の駅券売機(青色、ピンク色の機種)
この中では、駅の券売機が一番楽です。入力などはなく、30秒ほどで完了します。
実際の使い方
「古都奈良デジタルパス」の利用当日は、まず「KANSAI MaaS」アプリの「チケット」ページの「利用前・利用中」にある「古都奈良デジタルパス」を選んで、利用開始の操作をします(チケットを使う⇒利用開始する)。
そして、スマホと、登録したICOCAを忘れずに持って出かけます。
JRに乗るには?
繰り返しになりますが、「古都奈良デジタルパス」では、JRの乗車に登録したICOCAを使います。
乗車駅と下車駅の両方で、普通どおりに、ICOCAを自動改札機にタッチして出入りします。
下車時に、残高から運賃が引かれます。
このとき、タッチしなかったり、タッチがちゃんとできていなったりすると、後日の運賃分ポイント還元の対象外になりますので、注意してください。
残高が不足している場合は、券売機や自動精算機でチャージ(入金)してから改札機にタッチします。
なお、後日のポイント還元は、「古都奈良デジタルパス」の乗り放題範囲内で利用した運賃に対してです。
範囲内と外をまたいだ利用には、還元されません。
もし、またぐときは、面倒くさいですが、境界の駅でいったん下車(出場)して、再乗車(入場)した方がいいです。
ポイントが返ってきたら、ICOCAにチャージが必要
先に触れたとおり、「古都奈良デジタルパス」の乗り放題範囲で使った運賃は、翌月末に「WESTERポイント」で返ってきます。
その「WESTERポイント」を使うには、ICOCAにチャージ(積み増し)しないといけません。
その手続きは、JR西日本の駅にある券売機、精算機、チャージ機で簡単に行えます。
期限は25カ月以内です。それを超えると、WESTERポイントサービスの登録が解除されて、貯めたポイントも消えてしまいます。
なお、「モバイルICOCA」の場合は、スマホのアプリ上でチャージ操作ができます。
普段、JR西日本の駅にチャージに行けない人は、「モバイルICOCA」の利用がおすすめです。
ICOCAにチャージしたあとは、1ポイント=1円として、ICOCAに対応している全国の鉄道やバスの運賃や、コンビニやスーパーなど加盟店での買い物や飲食の支払いに使えます。
「六社寺共通拝観券」を利用するには?
「六社寺共通拝観券」は、「KANSAI MaaS」アプリでは使えません。
「古都奈良デジタルパス」の有効期間内に、下記の場所で、アプリのチケット画面をみせて、その現物と引き換える必要があります。
引き換え場所 | 奈良市総合観光案内所(JR奈良駅前) 営業時間:9:00~19:00 |
「六社寺共通拝観券」を引き換えたあとは、対象のお寺や神社それぞれの入口(拝観受付)で提示します。
その際に、拝観御礼品が受け取れます。
引き換えた「六社寺共通拝観券」は、2024年3月31日まで利用できます。
JR西日本「古都奈良デジタルパス」公式サイト
「古都奈良デジタルパス」の詳細や最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
「古都奈良デジタルパス」の注意点まとめ
- 購入と利用には、スマホとICOCAが必要です。
- 「KANSAI MaaS」アプリで購入します。
- 支払いはクレジットカードのみです。
- 使うICOCAの番号を「KANSAI MaaS」アプリと「WESTERポイントサービス」に事前登録しておく必要があります。
- JRはICOCAで利用して、その都度、運賃をいったん自動改札機で支払います。
- 支払った運賃は翌月末に全額「WESTERポイント」で還元されます。
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