こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本の「鉄道版ビワイチパス」という切符を紹介します(内容、値段、発売期間、買い方、使い方)。
この冬から春(11~3月)に、滋賀県の琵琶湖周辺へ観光などでお出かけを検討しているなら、JR西日本の「鉄道版ビワイチパス」をチェックしてみてください。
これは、琵琶湖一周のJR乗り放題と現地の観光がセットになった格安の周遊切符です。
ただ、「鉄道版ビワイチパス」は、購入や利用にスマホとICOCAが必要です(チケットレス)。一般的な紙の切符と買い方や使い方が違っています。
ここでは、「鉄道版ビワイチパス」のこうした点を含めた内容と値段、発売期間、そして購入方法、利用方法をまとめました。
JRで琵琶湖一周「鉄道版ビワイチパス」ってどんな切符?
はじめに、JRの「鉄道版ビワイチパス」ってどんな切符なのか、その内容から紹介していきます。
購入と利用にスマホとICOCAが必要です。
先にも触れましたが、「鉄道版ビワイチパス」は、通常の紙の切符ではありません。切符は発行しません(チケットレス)。
その購入や利用には、次のものが必要になります。
- インターネットにつながるスマホ(1人1台)
- ICカード「ICOCA(イコカ)」(JRの乗車)
- 「KANSAI MaaS」アプリ(切符の購入、特典の利用)
- クレジットカード(切符代の支払い)
まず、スマホとICOCAが必須です。
そして、スマホには「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリをインストールします。
「KANSAI MaaS(関西マース)」とは、JR西日本など関西の鉄道会社7社が共同で提供している関西のお出かけに便利な機能をそなえたスマホアプリです。
「App Store」「Google Play」から無料ダウンロードできます。
ICカードの「ICOCA」は、今現在使っていたり、持っているものがあれば、それで大丈夫です。
JR以外で購入したものや使っているものでもOK。「スマートICOCA」や「モバイルICOCA」も使えます。
そして、実際に使うICOCAの番号を、事前に必ず登録しておかないといけません(スマートICOCAとモバイルICOCAは不要。後述します)。
「鉄道版ビワイチパス」の代金支払い方法は、クレジットカード限定です。
琵琶湖一周のJRが2日間乗り放題!
「鉄道版ビワイチパス」では、下図の範囲で、JRの普通列車(新快速、快速を含む)を2日間乗り放題で利用できます。
このように、琵琶湖一周=ビワイチです。
近江鉄道、近江バスも乗り放題です。
「鉄道版ビワイチパス」には、近江鉄道(電車)と近江バスそれぞれの「2日フリー乗車券」がセットになっています。
下図の範囲を2日間乗り放題できます。
近江鉄道(電車) |
|
近江バス |
|
八幡山にロープウェイで登れます。
「鉄道版ビワイチパス」には、八幡山へ登るロープウェイの往復券が付いています。山頂から琵琶湖や市街地の眺めが楽しめます。
ロープウェイのりばへは、近江八幡駅から近江バスのフリー乗車券でアクセスできます。
「長浜おでかけパスポート」も付いてます。
「鉄道版ビワイチパス」には、長浜市内の観光施設など13か所を利用できる「長浜おでかけパスポート」もセットになっています。
冬の長浜名物「盆梅展」も見られます。
「長浜おでかけパスポート」対象施設(利用は各施設1回ずつ)
- 長浜城歴史博物館
- 長浜鉄道スクエア
- 慶雲館(長浜盆梅展の会場)
- ヤンマーミュージアム
- 海洋堂フィギュアミュージアム黒壁
- 長浜市曳山博物館
- 長浜別院 大通寺
- 国友鉄砲ミュージアム
- 浅井歴史民俗資料館
- 五先賢の館
- 小谷城戦国歴史資料館
- 高月観音の里歴史民俗資料館
- 北淡海・丸子船の館
JR西日本「鉄道版ビワイチパス」の発売期間と有効期間は?
「鉄道版ビワイチパス」の発売期間と有効期間は、下記の通りです。
発売期間(買える期間)
有効期間(使える期間)
※JRは利用開始日の午前0時から最終日の終発まで乗り放題できます(日付をまたがる場合は、0時を過ぎて最初の下車駅の自動改札機を出るまで)。
※近江鉄道、近江バス、八幡山ロープウェイの利用は、JRの利用と同じ2日間に限ります。
※「長浜おでかけパスポート」は引き換えた当日と翌日の2日間有効です。
JR西日本「鉄道版ビワイチパス」の値段はいくら?(注意点あり)
「鉄道版ビワイチパス」の値段はこちら(1人あたり)。大人用のみの発売です。
大人 | 2,700円 |
値ごろ感をイメージできるように、参考までに、通常の運賃や料金を挙げてみました。
【通常の運賃・料金の例】
JRの主な区間 | 片道運賃 |
京都駅~近江八幡駅 | 680円 |
京都駅~彦根駅 | 1,170円 |
京都駅~長浜駅 | 1,340円 |
近江八幡駅~長浜駅 | 680円 |
彦根駅~長浜駅 | 240円 |
京都駅~比叡山坂本駅 | 330円 |
京都駅~近江舞子駅 | 680円 |
京都駅~近江今津駅 | 990円 |
その他 | 通常料金など |
近江鉄道1デイスマイルチケット(1日乗車券) | 1日900円 |
近江レール2デイパス(電車・バス外国人向け2日乗車券) | 2日2,000円 |
八幡山ロープウェイ | 往復950円 |
長浜おでかけパスポート | 1,500円 |
※近江鉄道、近江バスの2日フリー乗車券は一般に発売されていません。
例えば、JRの京都駅~長浜駅の片道運賃は1,340円です。往復するだけで「鉄道版ビワイチパス」の値段とほぼ同じです。
セットの部分も、「長浜おでかけパスポート」だけで1,500円です。京都方面から長浜へ日帰り観光するだけでも、「鉄道版ビワイチパス」はお得です。
このように、全体として「鉄道版ビワイチパス」は、元は取りやすいと思います。
ただ、「鉄道版ビワイチパス」の値段については、注意点があります。
一般的な乗り放題系の切符は、購入する際に代金を支払えば、実際に乗車ときに運賃を支払う必要はありません。
ところが、「鉄道版ビワイチパス」はJRに乗るたびに運賃を支払わないといけないのです。
つまり、切符代(2,700円)を払ったうえに、当日の乗った運賃も払います(実際は、ICOCAの残高から引き落し)。
しかし、その支払った運賃は、翌月末に全額まとめて「WESTERポイント」で返ってきます。要は、運賃を一時的に立て替えるようなかたちです。
このため、金額的には損にはなりません。
でも、「鉄道版ビワイチパス」を購入するにあたっては、
- 予算として「切符代金2,700円+当日利用の運賃」を準備しておかないといけないこと。
- 当日利用の運賃は、現金での返金ではなく「ポイント」で還元されること。
という2つの点を、確認しておいてください。
JR「鉄道版ビワイチパス」はどこで買える?(買い方・購入方法)
「鉄道版ビワイチパス」は、「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリ内での限定発売です。
利用する1ヶ月前の午前10時から当日のお昼12時まで購入できます。
支払い方法は、クレジットカードのみ。
KANSAI MaaSアプリでの買い方は簡単です。
「KANSAI MaaS」アプリを開いて、「チケット」のなかから「鉄道版ビワイチパス」を選んで、購入手続きを進めていきます。
最初に、購入数(1人分のみ)と利用予定日を選択し、最後にクレジットカード番号を入力して終了です。ほどなく確認メールが届きます。
利用日の変更は、未使用で利用当日の12時までなら、KANSAI MaaSアプリの操作で可能です。手数料はかかりません。
ただ、払い戻し(取り消し)する場合は、手数料220円が発生します。
「KANSAI MaaS」を初めて使う際は、会員登録が必要です。
登録画面で規約同意したあと、メールアドレス認証⇒パスワード設定し、あなたの基本情報を入力します。
その項目はこちら。
- 名前(漢字、フリガナ)※必須
- 電話番号
- 性別 ※必須
- 生年月日
- 居住国
- 郵便番号
- アンケート(メールマガジンの要否、興味関心)
- ICカード番号(ICOCA、PiTaPa)
名前と性別だけが必須です。これだけで「KANSAI MaaS」のほとんどの機能が使えます。
「鉄道版ビワイチパス」の購入には、電話番号、生年月日、郵便番号、ICOCA番号の登録が必要です。
JR西日本「鉄道版ビワイチパス」の使い方は?(利用方法)
「鉄道版ビワイチパス」の使い方(利用方法)も、一般的なJR切符と違います。
特に、前もって準備しておくことがあります注意してください。
事前の準備、使うICOCAの登録
「鉄道版ビワイチパス」では、先述の通り、JRの乗車にはICOCAを使います。
当日に使うICOCAの番号を利用開始するまでに、次の2か所への登録しておく必要があります。
当日の利用開始してから、あるいは帰ってきてから登録すると遅いです。
すでに登録済みでしたら、この手続きは不要です。
ICOCA番号の事前登録先
- 「KANSAI MaaS」アプリ
- 「WESTERポイントサービス」(スマートICOCA、モバイルICOCAは不要)
ICOCAの番号は、カードの裏に記載されています(モバイルICOCAは管理画面に)。
「KANSAI MaaS」アプリへのICOCA登録は、「マイページ」でできます。
「WESTERポイントサービス」への登録は、次の場所で行えます。スマートICOCAやモバイルICOCAを使う場合は登録不要です。
- スマホアプリ「WESTER」
- JR西日本公式サイト「WENTER会員サポート」ページ(パソコンからもOK)
- JR西日本の駅券売機(青色、ピンク色の機種)
これらのなかでは、駅の券売機が一番楽です。入力作業はなく、30秒ほどで完了します。
「鉄道版ビワイチパス」の使い方
「鉄道版ビワイチパス」を利用する当日に、まず「KANSAI MaaS」アプリにある購入済みの「鉄道版ビワイチパス」を選んで「利用開始」します。
そのスマホと、登録済みのICOCAを忘れずに持って、ビワイチの旅へ出発!
JRに乗るには?
「鉄道版ビワイチパス」の乗り放題範囲で、JRに乗るときは、事前登録済みのICOCAを使います。
ICOCAは、乗車駅と下車駅の自動改札機「両方」で、タッチして出入りします。下車時に、残高から運賃が引かれます。
使い方は、このように普通どおりで、特別なことはありません。
ただ、タッチしなかったり、ちゃんとタッチできてなくてエラーが出たりすると、運賃がポイント還元されないので、普段より確実にタッチする意識が大切です。
もし、ICOCAの残高が不足している場合は、券売機や精算機でチャージ(入金)してから改札機にタッチします。
なお、ポイントで還元される運賃は、「鉄道版ビワイチパス」の乗り放題範囲内で乗った分に対してです。
範囲の内と外をまたいだ乗車は、全区間が還元の対象外です。
例えば、範囲外の大阪駅から範囲内の長浜駅まで乗り通すと、ポイントはまったく付きません。
このため、面倒くさいですが、いったん境界の京都駅で降りて、ICOCAで改札機を出入りします。こうすれば、範囲内の運賃はポイントで戻ってきます(帰りも同じ)。
ポイントが返ってきたらICOCAにチャージ
「鉄道版ビワイチパス」の乗り放題範囲で使った運賃は、その翌月末に「WESTERポイント(チャージ専用)」で返ってきます。
その「WESTERポイント」は、ICOCAに充填(チャージ)しないと使えません。
その手続きは、JR西日本の駅にある券売機、精算機、チャージ機で簡単に行えます。
チャージの期限は25カ月後まで。それを超えると、自動的に消えてしまいます。
なお、「モバイルICOCA」の場合は、スマホのアプリ上でチャージ操作ができます。
JR西日本の駅にチャージに行けない人は、「モバイルICOCA」の利用がおすすめです。
ICOCAにチャージしたあとは、1ポイント=1円として、ICOCAに対応している全国の鉄道やバスの運賃や、コンビニやスーパーなど加盟店での買い物や飲食の支払いに使えます。
近江鉄道、近江バス、八幡山ロープウェイを利用するには?
「鉄道版ビワイチパス」にセットされている近江鉄道と近江バスの2日フリー乗車券、八幡山ロープウェイの往復券を利用する場合は、KANSAI MaaSアプリ内にある各チケットを表示させたスマホ画面を乗務員や駅員に直接提示します。
※切符と引き換える必要はありません(チケットレス)。
長浜おでかけパスポートを利用するには?
「長浜おでかけパスポート」は、下記の場所に立ち寄って、その現物と引き換える必要があります。
その際は、スマホ画面にKANSAI MaaSアプリの引換チケットを表示させて、それを係員に提示します。
- 引換場所:長浜駅観光案内所
- 所在地:JR長浜駅の構内
- 営業時間:9:15~16:45(12:30~13:30は休憩)
- 休業日:年末年始(12月28日~1月5日)
「長浜おでかけパスポート」は、引き換えた当日と翌日の2日間使えます。
JR西日本「鉄道版ビワイチパス」公式サイト
「鉄道版ビワイチパス」の最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
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