こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 大阪メトロ「回数カード」の紹介(基礎知識、買い方、使い方、注意点)。
大阪市内の移動には地下鉄(大阪メトロ)が便利ですが、運賃がJRや私鉄に比べると高め。特に近い距離は割高感があります。
そこで、地下鉄の電車代を少しでも節約したいというあなたに、「回数カード」を紹介します。
それって、回数券とちゃうの?と思うかもしれませんが、実は違うんです。回数券より便利。
ここでは、大阪メトロの「回数カード」がどんなものかを、買い方や使い方とあわせて、分かりやすくまとめました。
大阪で地下鉄をしょっちゅうではないけど、時たま利用するという人は、特に知っておいて損はありませんよ。
「回数カード」の代わりに
ICカード「PiTaPa」で乗ると、いつでも「回数カード」と同じ運賃が1割引になります。
ICカード「ICOCA」で乗ると、ポイントが貯まります(条件あり)
大阪メトロ「回数カード」とは?
回数券ではありません!
「回数カード」と聞くと、JRや私鉄で売っている「回数券」を思い浮かべる人が多いと思います。
ところがどっこい、大阪メトロの回数カードは、回数券とは全くの別物です。
そもそも、大阪の地下鉄には、回数券がありません。
では、「回数カードって何やねん!」ということですが、簡単に言うと、地下鉄用の「プリペイドカード」です。
図書カードとか、QUOカード、テレフォンカードなどと同じ。
カードの金額の範囲で、運賃の支払いに充てることができます。
また、回数券だと、決まった区間(○○駅~○○駅や○○円区間)を、決まった回数しか使えませんが、回数カードには、このような”しばり”はありません。
金額の内なら好きに使えます。
このように、大阪メトロの回数カードは、回数券よりも自由度があって、使い勝手が良いです。
10%のオマケつきでお得!
回数カードには、ただの使い勝手の良いプリペイドカードではないんです。
値段的なメリットもあります。
回数カードの値段は、1枚3,000円です。
そして、実際は運賃として3,300円分使えます。
つまり、10%のオマケ(優待)が付いているんです。ということは、回数カードで、地下鉄に乗ると、運賃がいつも約1割引(9.1%)になります。
割引率としては、10回分の値段で11回乗れる、一般的な回数券と同じです。
繰り返しになりますが、回数カードは回数券のように、300円区間を11回利用できるというものではありません。
3,300円の範囲内で、区間にかかわらず自由な使い方ができます。
ちなみに、回数カードは3,000円券の1種類しか発売されていません。
シティバス、ニュートラム、いまざとライナーでも使えます。
大阪メトロの回数カードは、地下鉄のほかに、大阪シティバスや南港のニュートラム、いまざとライナーでも使えます。
また、回数カードで地下鉄やバスを利用すると、「地下鉄・ニュートラム⇔バス・いまざとライナー」「バス⇔バス・いまざとライナー」を乗り継いだときに、次のような「乗り継ぎ割引」が適用されます。
乗り継ぎパターン | 割引額 | 割引が適用される条件 |
地下鉄・ニュートラム ⇔バス |
合計額より 100円割引 |
当日中ならいつでもOK |
バス⇔バス | 合計額より 210円割引 |
最初のバスを降車後90分以内に次のバスを降りる |
地下鉄・ニュートラム ⇔いまざとライナー |
合計額より 100円割引 |
当日中ならいつでもOK |
バス⇔いまざとライナー | 合計額より 210円割引 |
最初のバスを降車後90分以内に次のバスを降りる |
特に、バス同士の乗り継ぎは、時間制限がありますが、2乗車目はタダになります。
※地下鉄が直通している北大阪急行や阪急電車、近鉄電車の区間では使えません(以下の「使い方」参照)。
※回数カードは、シティバスのUSJゆき、鶴浜IKEAゆきの路線、オンデマンドバスでは使えません。
※いまざとライナーは、今里~長居・あべの橋方面で大阪メトロが運行している路線バスです。
有効期限はありません。
回数券の場合、一般的に3ヶ月の有効期間があります。その期限までに使い切らないといけません。
3ヶ月は長いようで、あっという間です。
期限ギリギリになって無理やり使ったり、結局余らせてしまって損したという経験はあるのではないでしょうか。
一方、大阪メトロの回数カードには有効期限がありません。大阪メトロの方針が変わらない限りずっと使えます。
このため、大阪地下鉄やシティバスを、しょっちゅう利用しない人、時々しか使わない人も買いやすくなっています。
大阪メトロ「回数カード」の値段は?
あらためて、回数カードの値段をみてみましょう。表のようになっています。
子供用もあります。
発売額 | 利用できる額 | |
大人用 | 3,000円 | 3,300円 |
子供用 | 1,500円 | 1,650円 |
参考までに、地下鉄とシティバスの普通運賃は表のように設定されています。
地下鉄の運賃は、距離によって5段階(区数)に分かれています。
大人 | 子供 | |
地下鉄1区(初乗り) | 190円 | 100円 |
地下鉄2区 | 240円 | 120円 |
地下鉄3区 | 290円 | 150円 |
地下鉄4区 | 340円 | 170円 |
地下鉄5区 | 390円 | 200円 |
シティバス いまざとライナー |
210円 | 110円 |
初乗り運賃は190円ですが、大阪市内のJRは140円、私鉄は160円~170円なので、地下鉄は高めです。
※(参考)主な区間の普通運賃(大人片道)
梅田駅~心斎橋駅/難波駅 | 240円 |
梅田駅~天王寺駅 | 290円 |
梅田駅~新大阪駅 | 240円 |
梅田駅~大阪港駅 | 290円 |
東梅田駅~谷町四丁目駅 | 240円 |
梅田駅~日本橋駅/動物園前駅 | 240円 |
大阪メトロ「回数カード」の使い方は?
【使い方1】《基本》直接、カードを改札機に通す。
回数カードの基本的な使い方は、乗り降りする駅で直接カードを改札機に通すだけです。
その都度、自動的に乗車した運賃分が差し引かれます。
その履歴は、カードの裏面に日時、乗車駅、降車駅、残高が印字されて、確認できるようになっています。
バスでは、降りる際に、運賃箱のカード読み取り機に通します。
【使い方2】券売機で乗車券と引き換える。
回数カードは、1枚で1人しか使えません。
でも、駅の券売機で必要な枚数の切符(乗車券)に引き換えることで、複数人で使うことができます。
家族や友達と一緒にでかけるときは、実質的にみんなが割引運賃で地下鉄を利用できるのでお得です。
※大人用の回数カードで、子供用の乗車券へ引き換えられます。逆に子供用の「回数カード」で、大人の乗車券に引き換えることもできます。
※券売機で引き換えた乗車券は、その当日しか使えません。
回数カードの残りが少なくなったら?
回数カードの残高が、地下鉄やバスの初乗り運賃より少なくなったときは、次の方法がとれます。
地下鉄 |
|
バス |
|
大阪メトロ「回数カード」の注意点は?
乗るときに残高が190円以上必要。
地下鉄を利用する際、回数カードの残高が190円未満だと、駅に入れません。改札機で止められてしまいます。
これは、「回数カードが、まず乗車駅で初乗り運賃(190円)を引いて、そして下車駅で残りの金額(例えば290円区間なら差額の100円)を引くと2段階のしくみになっているからです。
回数カードの残高が190円を切ったら、券売機で現金を足して切符を買うか、新しい回数カードを併用するかしないといけません。
券売機で引き換えは普通の乗車券だけ。
回数カードが、券売機で引き換えられる切符は、普通の切符(乗車券)だけです。
1日乗車券(エンジョイエコカード)や「関空ちかトクきっぷ」など企画切符は対象外です。
私鉄にまたぐ場合は乗車券に引き換えてから。
回数カードは、大阪メトロ(地下鉄)のなかでしか使えません。
地下鉄の駅から、北大阪急行、阪急電車、近鉄電車の区間へまたがって乗車するときは、あらかじめ券売機で境界の駅(下記)までの乗車券に引き換えてから乗車します。
私鉄側の下車駅では、その乗車券で乗り越し精算をします。
直通する私鉄 | 境界駅 |
北大阪急行(江坂駅~千里中央駅) | 江坂駅 |
阪急電車 | 天神橋筋六丁目駅 |
近鉄電車 | 長田駅 |
逆に、私鉄の駅から地下鉄の駅まで乗る場合は、乗車駅で境界駅までの乗車券を買います。
そして、下車する地下鉄駅の改札機に、その乗車券と回数カードを2枚重ねで通します。
乗り越し精算に使えない場合があります。
手持ちの乗車券や定期券で乗り越した際、その精算に回数カードが使える場合と使えない場合があります。
切符の種類 | 「回数カード」で精算 |
「普通の乗車券」で乗り越したとき | できません |
「磁気カードの定期券」で乗り越したとき | できます |
「ICOCA・PiTaPa定期券」で乗り越したとき | できません |
このように、使えるのは、磁気カード式の定期券で乗り越したときだけです。
精算機に定期券を入れて、不足額を回数カードで支払います。
梅田駅・東梅田駅・西梅田駅での乗り換えは30分以内で。
梅田にある地下鉄の3つの駅、御堂筋線「梅田駅」、谷町線「東梅田駅」、四つ橋線「西梅田駅」は、場所が離れていますが、追加の運賃なしで、お互いに乗り換えることができます。
乗り換えするには、回数カードを改札機に通して、一旦駅から外へ出て、各駅に向かいます。
乗り換え先の駅で、再び回数カードを改札機に通して、駅に入ります。
このとき、時間制限があります。駅を出て30分以内に、乗り換え先の改札を通らないといけません。
もし、30分を超えてしまうと梅田から目的駅までの運賃が新たに必要になってしまいます。
この30分ですが、途中で買い物したり、トイレに立ち寄るなど、思うほどゆとりはありません。
ちなみに、これはあくまでも乗り換えのためのしくみなので、例えば、東梅田駅から出て再び東梅田駅に戻るといった、同じ駅に出入りすることはできません。
払い戻しはありません。
一度購入した回数カードは、たとえ未使用でも払い戻ししてもらえません。
※金券ショップによっては、買取しています。
「回数カード」はどこで買える?(購入方法)
回数カードが買えるところ(発売場所)は、下表のとおりです。支払いは現金のみです。
地下鉄駅の券売機 | 全駅 |
地下鉄の定期券発売所 | 梅田駅、難波駅、天王寺駅 |
地下鉄の駅売店 | 設置駅 |
一番便利で確実に買える場所は、地下鉄駅の券売機です。
また、市内の金券ショップで定価より若干安く売られていることがあります。何かついでがあれば、のぞいてみるといいかもしれません。
大阪メトロ「回数カード」の公式サイト
大阪地下鉄、シティバスの「回数カード」についての最新情報は、大阪メトロの公式サイトで確認ください。
まとめ:大阪地下鉄の「回数カード」と一般的な回数券との違い。
回数カード | 回数券 | |
割引率 | 9.1% | 9.1% |
利用できる区間 | 決まり無し | 回数券に記載の区間 |
利用できる回数 | 決まり無し | 11回 |
有効期間 | なし | 3ヶ月 |
複数人での利用 | 〇 | 〇 |
払い戻し | × | 〇 |
※大阪メトロでは、専用の回数券は発売されていません。
1日のうちに3回以上、地下鉄やバスを利用するようでしたら、乗り放題の1日乗車券の方が安くつくかもしれません。(大人は平日820円・土休日620円、子供は全日310円)
バスだけを利用する場合、スマホアプリを使う1日乗車券もあります(大人500円、子供100円)
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