こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- 大阪の交通費節約術の一つとして、大阪地下鉄(メトロ)とシティバスの「乗り継ぎ割引」制度について紹介します(内容と利用方法)。
大阪市内の移動には、地下鉄(大阪メトロ)とバス(大阪シティバス)が便利です。これらを乗り継げば、市内のほとんどの場所へ行くことができます。
その際の地下鉄代やバス代を安くする方法として、「乗り継ぎ割引」というしくみがあります。
これは、地下鉄とバス、あるいはバスとバスを乗り継いだ場合に、運賃が割引になるというもの。
地元の人以外には、あまり知られていないですが、けっこうお得なんです。
ここでは、大阪の地下鉄とバスの「乗り継ぎ割引」について、その金額や条件など内容と利用方法、注意点をまとめました。
大阪地下鉄・シティバスの「乗り継ぎ割引」とは?
大阪地下鉄(メトロ)とシティバスの「乗り継ぎ割引」とは、次の交通機関を乗り継いだときに、運賃が割引になる制度です。
- 地下鉄・ニュートラム ⇔ シティバス
- 地下鉄・ニュートラム ⇔ いまざとライナー
- シティバス ⇔ シティバス
- シティバス ⇔ いまざとライナー
※「ニュートラム」は南港地区を走る新交通システム、「シティバス」は旧市営バスです。「いまざとライナー」は、大阪メトロが阿部野橋~杭全~今里・長居で社会実験で運行している路線バスです。
※「乗り継ぎ割引」は、シティバスのUSJ行き、IKEA鶴浜行きの路線では適用されません。
※阪急バス、近鉄バス、京阪バスなど他社のバスとの乗り継ぎは対象外です。
大阪地下鉄・シティバス「乗り継ぎ割引」の金額は?
大阪地下鉄(メトロ)とシティバスの「乗り継ぎ割引」の金額は、このようになっています。
乗り継ぎパターン | 割引金額 |
地下鉄⇔シティバス | 合計運賃から大人100円、子供50円割引 |
シティバス⇔シティバス | 合計運賃から大人210円、子供110円割引 |
実際の割引は、乗り継いだ2回目の運賃から、上記の金額が差し引かれます。
【参考】地下鉄とバスの通常運賃
普通片道運賃 | 大人 | 子供 |
地下鉄・ニュートラム1区 | 190円 | 100円 |
地下鉄・ニュートラム2区 | 240円 | 120円 |
地下鉄・ニュートラム3区 | 290円 | 150円 |
地下鉄・ニュートラム4区 | 340円 | 170円 |
地下鉄・ニュートラム5区 | 390円 | 200円 |
シティバス(均一) | 210円 | 110円 |
いまざとライナー(均一) | 210円 | 110円 |
大阪地下鉄・シティバスの「乗り継ぎ割引」を受けるには?(適用条件)
大阪地下鉄、シティバスで「乗り継ぎ割引」を受けるには、3つの条件があります。
【条件1】カードで乗車。
「乗り継ぎ割引」は、地下鉄やバスを、「カード」で乗車する場合に限って適用されます。
現金や定期券、バス回数券、バス1日乗車券(モバイルチケット)で乗り継いでも、割引になりません。
【「乗り継ぎ割引」が受けられるカード】
- 回数カード
- 全国共通交通ICカード(ICOCA、PiTaPa、Suica、Kitaca、PASMO、はやかけん、SUGOCA、マナカ、TOICA、nimoca)
「回数カード」は、3,000円で3,300円分使えるお得なプリペイドカードです。2024年3月22日で発売を終了しました(当面の間、使用はできます)。
なお、「回数カード」は、次のように使うと「乗り継ぎ割引」は受けられません。
- 1枚で複数人分の運賃支払いに使った場合。
- 現金と併用した場合
- 大人用カードを子供が使った場合。
- 残高不足で精算機で運賃を精算した場合(精算する前に駅員に申し出ればOK)。
ICカードは、ICOCA、PiTaPa以外のカードも対象なので、旅行や出張の人でも、乗り継ぎ割引は使いやすくなっています。
なお、定期券として使っているICOCAやPiTaPaの場合、その区間内では、「乗り継ぎ割引」は適用されません(定期券がすでに割引になっているため)。
ICカードのなかでも、特にPiTaPaは、地下鉄、バスの運賃が1割引になったうえで、「乗り継ぎ割引」が適用されるので、めちゃお得です。
事前登録などは必要ありません。PiTaPaで乗るだけ。
また、PiTaPaの運賃割引サービスの「マイスタイル」「プレミアム」に登録していても、「乗り継ぎ割引」は受けられます。
【条件2】時間制限内で乗り継ぎ。
「乗り継ぎ割引」を受けるには、決められた時間内に乗り継がないといけません。
乗り継ぎパターン | 時間制限 |
地下鉄・ニュートラム⇔シティバス | 同じ日ならいつでもOK |
シティバス⇔シティバス | 最初のバスを降車後90分以内に次のバスを降りる |
まず、乗り継ぎは、同じ日に行う場合に限られます。
さらに、「バス⇔バス」の場合は、1乗車目のバスを降りてから、90分以内に2乗車目のバスを「降りる」という条件があります。
市内で90分以内という時間制限は、すんなりと乗り継げば、よほどの大渋滞などなければ、ほとんど大丈夫です。
でも、もし乗り継ぎの間に、買い物したり、用事をしたりすると、時間オーバーになる可能性があります。
【条件3】ICカードの乗り継ぎは連続して!
ICOCAやPiTaPaなどICカードで乗り継ぐ場合、地下鉄やバスは、連続して利用しないと割引は適用されません。
例えば、「地下鉄⇒JR⇒バス」というふうに、間に他の交通機関をはさむと、割引対象外になります。
大阪地下鉄・シティバス「乗り継ぎ割引」の利用方法は?(実例)
実際に、大阪地下鉄・バスの「乗り継ぎ割引」を利用するにあたって、特別にやることはありません。
回数カードやICカードを、通常どおりに、地下鉄では駅の改札機に、バスでは車内のカード読み取り機に通す、あるいはタッチするだけです。
その際、制限時間など適用条件に合っていれば、自動的に運賃が割引になります。
このため、逆に自分の知らないところで、「乗り継ぎ割引」になっていることもありえます。
ここで、地下鉄、バスの「乗り継ぎ割引」が具体的にどのように実施されるのかを、実際の例でみてみましょう。
【例1】地下鉄とバスを乗り継いだ場合
例えば、地下鉄の240円区間(梅田駅~難波駅など)を乗って、その日のうちにシティバス(210円)に乗り継いだ場合ですが、通常は、合計450円かかります。
カードで乗って「乗り継ぎ割引」が適用されると、バス代が100円割引されて350円で済みます。約22%割引です。
1回目 | 2回目 | 合計 |
地下鉄 | バス | |
240円 | 210円 | 通常450円 |
240円 | 210円-100円 | 割引後350円 |
逆に、同じ区間をバスから地下鉄への乗り継いだ場合は、地下鉄代が割引になって、同じ350円になります。
1回目 | 2回目 | 合計 |
バス | 地下鉄 | |
210円 | 240円-100円 | 350円 |
地下鉄とバスで往復技!
地下鉄とバス両方で移動できる区間を往復する場合、地下鉄とバスで片道ずつ乗り分けると、「乗り継ぎ割引」適用で、交通費を節約できます。
【例】梅田~難波の場合
地下鉄で往復 | 240円×2=480円 |
地下鉄・バスで片道乗り分け | 240円+210円-100円=350円 |
このように、缶コーヒーやペットボトルのお茶代くらいは浮きます。
※地下鉄とバスで往復できるかどうかは、公式サイトの「経路・運賃検索」で調べられます。
【例2】バスとバスを乗り継いだ場合
バス(210円)とバスを乗り継いだ場合は、通常は合計420円です。
カードを利用して、同じ日に90分以内で乗り継けば、2乗車目が210円割引で、合計210円と半額になります。
つまり、2乗車目のバス代が無料です。
1回目 | 2回目 | 合計 |
バス | バス | |
210円 | 210円 | 通常420円 |
210円 | 210円-210円 | 割引後210円 |
往復でも割引適用!
バス同士の「乗り継ぎ割引」は、同じ区間を往復する場合も、時間制限内でしたら、乗り継ぎとして適用されます。
片道の運賃で往復が可能。
ちなみに、「バス⇒バス⇒バス⇒バス」と乗り継ぐと、偶数回の2乗車目と4乗車目の運賃が割引になります。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 合計 |
バス | バス | バス | バス | |
210円 | 210円-210円 | 210円 | 210円-210円 | 420円 |
【例3】地下鉄とバスとバスを乗り継いだ場合
地下鉄とバスとバスと3回の乗り継ぐ場合、組み合わせによって、「地下鉄⇔バス」と「バス⇔バス」のダブル割引が適用されます。
例えば、地下鉄(240円)⇒バス(210円)⇒バス(210円)と乗り継ぐと、通常の運賃は合計660円です。
でも、「乗り継ぎ割引」の時間制限内なら、ダブル割引で350円に(約47%割引)。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
バス | バス | 地下鉄 | |
210円 | 210円 | 240円 | 通常660円 |
210円 | 210円-210円 | 240円-100円 | 割引後350円 |
「バス⇒バス⇒地下鉄」も場合も同じです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
地下鉄 | バス | バス | |
240円 | 210円-100円 | 210円-210円 | 350円 |
ただ、順番が「バス⇒地下鉄⇒バス」になると、「バス⇒地下鉄」の部分のみが乗り継ぎ割引の対象です。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
バス | 地下鉄 | バス | |
210円 | 240円-100円 | 210円 | 560円 |
「地下鉄⇒バス⇒地下鉄」の場合も同じです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 合計 |
地下鉄 | バス | 地下鉄 | |
240円 | 210円-100円 | 240円 | 590円 |
大阪地下鉄・シティバス「乗り継ぎ割引」公式サイト
大阪の地下鉄とシティバスの「乗り継ぎ割引」の最新情報については、大阪メトロの公式サイトで確認ください。地下鉄とバスを乗り継ぐ経路検索もできます。
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