こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- 大阪メトロのPiTaPa割引サービスとは?
- 「マイスタイル」と「プレミアム」の違い。
- 「マイスタイル」と「プレミアム」共通の注意点。
普段、大阪地下鉄(メトロ)をよく利用していて、定期代など毎月の交通費を見直したいとか、少しでも節約したいというあなたは、ICカードの「PiTaPa(ピタパ)」を使った運賃割引サービスを一度検討してみる値打ちがありますよ。
大阪メトロには、主に「マイスタイル」と「プレミアム」という割引プランがあります。
これらをうまく使うと、あなたが地下鉄を利用している状況によっては、定期券よりも安くなって、さらに、使い勝手もよくなります。
ここでは、大阪メトロの「マイスタイル」と「プレミアム」どんなプランなのかと、その違いを、できるだけ分かりやすく紹介していきます。
大阪メトロのPiTaPa割引「マイスタイル」「プレミアム」とは?
大阪地下鉄(メトロ)の「マイスタイル」「プレミアム」とは、ICカードの「PiTaPa(ピタパ)」を使った運賃の割引サービスです。
どちらも、1ヶ月分の地下鉄運賃の支払い金額に、上限が付くというプランになります。
あなたが登録した地下鉄の区間を、1か月間どれだけ利用しても、上限の金額以上は請求されません。
このことだけなら、定期券と似ています。
でも、PiTaPaの場合、上限額に達しなかった月は、利用した分だけの請求になるという点が違います。
定期券は、利用してもしなくても、支払う料金(=定期代)は変わりません。
また、その上限額も「マイスタイル」は1ヶ月定期代より安く設定されています。定期代の節約になります。
「プレミアム」の方は、ちょっとだけ高いですが、定期券より利用範囲が広くなるなど使い勝手の面でメリットがあります(後述します)。
「マイスタイル」「プレミアム」の割引や請求のしくみは、下図のようなイメージです。
「特定の利用」とは、「マイスタイル」や「プレミアム」を申し込みの際に、登録した区間を利用することです。
地下鉄に乗ったら、月初から「特定の利用」と「それ以外の利用」を分けて、それぞれカウントされていきます。
そして月末に合計して、それぞれの金額に割引(1割)を適用します(「特定の利用」以外の運賃も割引)。
「特定の利用」分とそれ以外の利用分を合算した金額が請求額=支払い金額になります。
このとき、「特定の利用」が上限の金額を超えていたら、超えた分は帳消し。上限額未満なら、乗った分だけの請求です。
ただ、「マイスタイル」と「プレミアム」とでは、上限金額の設定と「特定の利用」の対象(定義)に違いがあります。
【参考】「マイスタイル」「プレミアム」の利用に必要なもの
「マイスタイル」「プレミアム」を利用するには、ICカードの「PiTaPa(ピタパ)」が必要です。
ちなみに、大阪メトロ、シティバスは、PiTaPaで乗るとお得です。
持っていない人は、まず入会が必要です。駅では買えません。PiTaPaは、クレジットカードと同じ後払い(ポストペイ)方式のカードですので、発行にあたっては審査があります。
すでに、PiTaPaを持っている人は、利用登録するだけです。PiTaPaの公式サイト(PiTaPa倶楽部)や地下鉄の定期券発売所で手続きできます。
なお、PiTaPaはどんな種類のものでも大丈夫です。他社で定期券として使っているものでもOK。
「マイスタイル」について
「プレミアム」について
さらに、PiTaPaを「OSAKAポイント」の会員登録(無料)しておけば、0.5~1%のポイントが付きます。貯まったポイントは毎月の請求に還元できるので、お得です。
大阪メトロのPiTaPa「マイスタイル」「プレミアム」は何が違う?
【違いその1】毎月請求金額の上限
PiTaPa「マイスタイル」と「プレミアム」では、ともに毎月の地下鉄を「特定の利用」した運賃に対して上限額が適用されます。
ただし、表のように金額が違います。
区間運賃 | 1ヶ月通勤定期券 | マイスタイル | プレミアム |
190円区間(1区) | 7,930円 | 7,140円 | ー |
240円区間(2区) | 9,480円 | 8,540円 | 9,590円 |
290円区間(3区) | 11,030円 | 9,930円 | 11,370円 |
340円区間(4区) | 11,830円 | 10,650円 | 12,730円 |
390円区間(5区) | 12,770円 | 11,500円 | ー |
「マイスタイル」の上限額は、6ヶ月通勤定期券の1ヶ月相当分に設定されていますので、1ヶ月定期券よりも安いのが特徴です。
定期代を安くしたいなら、まずは「マイスタイル」をチェックしましょう。
「プレミアム」の上限額は、1ヶ月定期代よりも少し高めです。
この金額の違いは、利用できる区間や使い勝手(「特定の利用」になる対象)によるものです。
【違いその2】「特定の利用」の対象(指すもの)
PiTaPa「マイスタイル」と「プレミアム」の大きな違いは、請求の上限額が適用される「特定の利用」とは何を指すのか?です。
「マイスタイル」「プレミアム」では、最初に「登録駅」を決めます(マイスタイルは2か所、プレミアムは1か所)。
「登録駅」が決まると、それを元に「対象駅」が自動的に設定されます。
「対象駅」は「登録駅」以外で乗り降りできる駅のことです。
「特定の利用」は、この「登録駅」と「対象駅」が関わる利用のことです。
「マイスタイル」「プレミアム」ではそれぞれ、表のようになっています。
「特定の利用」の対象 |
|
マイスタイル | プレミアム |
|
|
「マイスタイル」では、「対象駅⇔対象駅」は「特定の利用」の対象にならない点が、「プレミアム」とは異なります。
必ず「登録駅」のどちらかで乗り降りしないと「特定の利用」にはなりません。
「マイスタイル」は、こうした制約がある分、「プレミアム」よりも利用できる範囲が広く、上限額も低く設定されています。
具体例をみてみましょう。赤枠の駅が「登録駅」で緑枠が「対象駅」です。
【例】「マイスタイル」で登録駅を「梅田駅」と「難波駅」とした場合(240円区間)
【例】「プレミアム」で登録駅を「梅田駅」とした場合(240円区間相当)
「マイスタイル」は、「梅田駅⇔難波駅」の定期券より、利用できる範囲がだいぶ広いです。
ただ、登録駅である「梅田駅」か「難波駅」の両方、または一方で、必ず乗車か下車する必要があります。そうしないと「特定の利用」にカウントされません。
一方、「プレミアム」は、「マイスタイル」より範囲が狭いですが、そのなかでは「登録駅」「対象駅」に関係なく全ての駅で乗り降り自由(乗り放題)。
そして、すべての利用が「特定の利用」にカウントされます。
あなたのプライベートをふくめた普段の地下鉄の利用状況から、「マイスタイル」と「プレミアム」を比べて、どちらか選んでみてください。
定期券よりはお得になるケースが多いです。
※どちらを選んでも、月単位で変更できます。解約も可能。その際。手数料もかかりません。
【違いその3】「バスプラン」の有無
PiTaPa「マイスタイル」と「プレミアム」とでは、大阪シティバス用のプランが有るかどうかも違います。
「マイスタイル」には、大阪シティバスの利用を「特定の利用」としてカウントするプランが用意されています(バス単独、地下鉄+バス)。
一方、「プレミアム」は地下鉄限定です。
ただ、バスに乗った場合は、「特定の利用外の利用」にカウントされて、割引(1割~)が受けられます。
1ヵ月 通勤定期代 |
マイスタイル 1ヶ月上限額 |
|
バス単独プラン(バス全線) | 9,000円 | 8,100円 |
地下鉄・バスプラン (バス全線+地下鉄240円区間の場合) |
13,860円 | 12,470円 |
【違いその4】学割の有無
定期券には、通学用がありますが、PiTaPa割引では「マイスタイル」に学割が設定されています。
一般向けよりも上限額が低く、「特定の利用以外の利用」の割引率も高く(2割)なってて、全体に通学定期券よりもお得です。
特に、長期の休みがからむ時期は、乗った分だけ請求の「マイスタイル」は本領発揮します。
「プレミアム」には、学割の設定はありません。
区間 | 1ヶ月通学定期券 | マイスタイル学割 |
地下鉄240円区間 | 4,200円 | 3,780円 |
地下鉄340円区間 | 4,980円 | 4,490円 |
バス全線+地下鉄240円区間 | 7,020円 | 6,320円 |
※小学生は学割の半額です。
大阪メトロPiTaPa「マイスタイル」「プレミアム」の注意点
PiTaPaの「マイスタイル」「プレミアム」の利用にあたって、次にような共通の注意点があります。
「乗り越し精算」がありません。
PiTaPaの「マイスタイル」「プレミアム」には、「乗り越し精算」というしくみがありません。
例えば、上図のような状況でA駅からD駅に行く場合に、有効区間が「A駅⇔C駅」の定期券を使うと、C駅⇒D駅の間は乗り越しとなって、その間の運賃を追加で支払うだけで済みます(乗り越し精算)。
一方、PiTaPaの「マイスタイル」「プレミアム」だと、A駅やC駅が登録駅や対象駅であっても、乗車したA駅からD駅まで通しの運賃が全額かかります。
なお、A駅からD駅までは「特定の利用外の利用」としてカウントされます(割引は適用されます)。
振替輸送の対象外です。
地下鉄で事故などで運転見合わせが起きたとき、状況によっては、まれにJRや私鉄への「振替輸送」が実施されることがあります。
定期券の場合は、この振替輸送の対象になります。振替先のJRや私鉄を無料で利用できます。
一方、PiTaPaの「マイスタイル」「プレミアム」は対象外。JRや私鉄を利用する時は、普通に運賃を払う必要があります。
「振替輸送」は、「マイスタイル」「プレミアム」に関係なくPiTaPaやICOCAなどICカード全てが利用の対象外になります。
これは、大阪メトロに限ったことではなくて、関西のJRや私鉄と共通の取り扱いです。ただし、IC定期券は対象です。
PiTaPa「マイスタイル」「プレミアム」の大阪メトロ公式サイト
PiTaPa「マイスタイル」「プレミアム」の最新情報は、大阪メトロの公式サイトで確認ください。
公式サイトでは、「マイスタイル」「プレミアム」を利用した場合のシミュレーションも簡単にできます。
「登録駅」を登録して「対象駅」がどこになるのか、費用はどれくらいになるのか分かりますので、一度お試しを。
定期代を安くしたいということで、定期券からの乗り換えを検討している人には、とりあえず「マイスタイル」がおすすめです。
上限額が1ヶ月の定期代よりも安い設定になっていますので、費用的なメリットがあります。
路線の先端区間だけの利用でなければ、ほとんどの場合、利用できる範囲が定期券より広くなりますので、使い勝手もよくなります。
「マイスタイル」と「プレミアム」はどちらがお得かは、あなたの普段の地下鉄を利用している状況によります。
通勤はもちろん、仕事の外回りやプライベートなどでの利用を含めて、シミュレーションしてみましょう。対象駅によく利用する駅が含まれていると、交通費が節約できる可能性大です。
ちなみに、定期券のままでも、利用範囲を広げられる「迂回(うかい)」という方法もあります。参考まで。
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