こんな疑問にお答えします。
この記事の内容
- 通学定期券とは、どんなもの?(割引率、発売の条件など基本情報)
- 通学定期券の買い方(必要なもの、いつから買えるか、代理購入など)
電車通学するにあたって、通学定期券を買おうかと考えているあなたに、どんな定期券なのか、何日以上でお得なのかどうか、買い方はどうなのかなど、ありがちな疑問に答えるかたちで、まとめました。
もし、あなたが買うかどうかでお悩みなら、買った方が良いです。後述しますが、通学定期券は、割引率がかなりいいので、逆に使わないと損です。
通学定期券とは、どんなもの?
通学定期券は、学生が学校に通うため用の定期券です。
表面に「学」と印字されています。
通学定期券は、勉学にかかる経済的な負担を軽くするということで、「大幅に」割引されています。
このため、通学以外の目的、例えば、塾や習い事、バイト、就活などのためには作れません。
ちなみに、通学の目的以外で定期券を作りたいときは、通勤定期券です。「通勤」となっていますが、目的に関係なく誰でも作れます。
通学定期券の使い方は、通勤定期券と同じです。
定期券そのものがどんなものなのか、よく分からないというあなたは、こちらの記事を参考ください。
通学定期券にはどんな種類がある?
通学定期券の種類は、小学生用(子供)と中学生以上用(大人)の2種類のところがほとんどです。
小学生用、中高生用、大学生用など、もう少し細かく分けているところもあります。
たとえば、JRでは、小学生用、中学生用、高校生用、大学生用(専門学校など含む)の4種類が用意されています。
あと、通学定期券の形状(カタチ)は、紙製のものや磁気カード式、ICカード式と、鉄道会社ごとに様々です。
ICカードの定期券は、紛失や盗難にあったときに再発行できることがメリット。あなたの利用する鉄道会社で作れるようなら、IC定期券がおすすめです。
通学定期券は、学生なら誰でも買える?
通学定期券は、学生なら誰でも買えそうですが、実はそうではありません。
買えるのは、「鉄道会社が指定した」学校に在籍している正規の学生だけです。
とはいっても、公立、私立の小学校、中学校、高校、大学、専修学校は、基本的に指定されています。
ただ、専門学校や予備校、外国人学校など、特に学校法人ではないところは、指定外のこともあります。
また、指定学校でも、正規の学生ではない、聴講生や委託生、非正規の留学生、期間限定の受講生などは対象外です。
あなたが、通学定期券を買える対象なのかどうかは分からないときは、学校の先生や事務室で確認ください。
通学定期券が買える区間は?
通学定期券が買えるのは、「自宅の最寄駅~学校の最寄駅」(最短ルートが原則)だけです。
自由に区間を決められません。
これは、通学目的ということで大幅割引されているためです。
その最寄駅がどこなのか、どの経路で通学するかは、学校で発行する「通学証明書」で示します。
そこに書かれた通りの定期券しか作れません。
もし、引っ越しや通うキャンパスの変更などで、最寄駅が変わった場合は、その都度、新しい「通学証明書」が必要です。
塾やバイト用などに、通学定期券の区間以外で、定期券が欲しい場合は、先述の通り、通勤定期券なら大丈夫です。好きな区間、経路で作れます。
通学定期券の有効期間は?
通学定期券の有効期間は、ほとんどの鉄道会社で1ヶ月、3ヶ月、6か月です。
自分で好きに設定できません。
期間が定められているので「定期」券です。
このため、実際の通学期間と合わせにくいのが、悩みどころです。
私鉄や地下鉄のなかには、学期に合わせた「学期定期」を発売しているところもあります。
ちなみに、3ヶ月定期は1ヶ月定期×3ヶ月より5%、6ヶ月定期は1ヶ月定期×6ヶ月より10%、お得です。
通学定期券の割引率は?何日以上でお得?
通学定期券は、大幅に割引になっていますが、実際にどれくらい安くなっていて、何日以上でお得なんでしょうか。
割引率は、鉄道会社によって違います。
そして、同じ鉄道会社でも区間によってばらつきがあります。
関西のJR、私鉄、地下鉄の主な区間でみてみると、通常の運賃に対して7~8割引のところが多くなっています。
割引率が低めの京都市営地下鉄でも5割引あります。
このように、高割引率なので、ざっくりとですが、1ヶ月に最低7~10日使えば元は取れます。
これくらいなら、普通に通学しているだけでお得です。
逆に言うと、電車通学するなら、通学定期券を使わないと損!ということになります。
夏休みや春休みなど、長い休みがからむ時期だけ、注意が必要です。
初めて通学定期券を買うときに必要なものは?
入学して、初めて新しく通学定期券を買う場合、お金だけをもって駅に行っても買えません。
どの鉄道会社でも、購入にあたっては、基本的に次のものが必要です。
通学定期券の購入に必要なもの
【前もって準備して持って行く】
●「通学証明書」+「学生証」(学校が発行)
または、
●「通学定期券購入兼用証明書」(学校が発行)
これらは、定期券発売機(券売機)で購入する場合や「モバイルICOCA」などアプリを使う場合も必要です。
【発売所で記入】
◆「定期券購入申込書」(発売所に設置されています)
定期券を買いに行ったら、まず、発売所においてある「定期券購入申込書」を記入します。それから窓口に並んで、係員に学生証など必要なものと一緒に提出します。
※鉄道会社によっては、インターネットで事前予約できる(あるいは必須)のところもあります。この場合、購入申込書の記入は不要です。
あらかじめ準備するものは、どれも学校が発行するものです。
また、それぞれに有効期間があります。定期券を買う時点で有効なものでないと使えません。
「通学証明書」とは
「通学証明書」とは、その学生が通学で利用する区間(自宅の最寄駅~学校最寄駅)を、学校が示す書類です。
鉄道会社はこれにもとづいて、通学定期券を発行します。逆に、この証明書に書かれていない区間では作ってくれません。
「通学定期券購入兼用証明書」とは
「通学定期券購入兼用証明書」とは、ややこしい名前ですが、要は、通学区間の記入欄や定期券の発行控え欄がある「学生証」や「生徒証」のことです。
学生証が「通学証明書」の役目を兼ねています。定期券を買うと、発売窓口で日付や購入場所が記入されます。
実際の「学生証」の多くは、このタイプです。
新入生で、学生証がまだ発行されていない場合は、「通学証明書」だけで買えます。
同じ通学定期券を継続購入するときに必要なものは?(年度中・年度またぎ)
通学定期券は、卒業するまで、期限が切れるたびに継続して購入していくことになります。
年度中(同じ学年の間)の場合と、年度をまたぐ(学年が変わる)場合とで、必要な書類などが違います。
年度中(学年をまたがない)場合の継続購入
学年が変わらない、3月31日までに期限がくる通学定期券を継続して買う場合は、次のものが必要です。
- 手元にある定期券(使用中、または期限が切れてから2ヶ月以内のもの)
使っている(使っていた)定期券だけでOK。
基本的に「通学証明書」や「学生証」は不要です。ただ、念のために「学生証」を持参しておく方がいいです。
定期券発売所では、「定期券購入申込書」の記入が必要です(ネット予約などしていない場合)。
年度をまたぐ(学年が変わる)場合、卒業年の場合の継続購入
年度替わりの4月1日をまたいで(=学年が途中で変わる)継続使用する通学定期券を買う場合は、次のものが必要です。
- 「通学証明書」または「通学定期券購入兼用証明書/学生証」
- 使用している定期券
鉄道会社によっては、「通学証明書」と「通学定期券購入兼用証明書(学生証)」の両方が必要なところもあります(公式サイトなどで確認ください)。
なお、4月30日までに期限がくるものは、使用中の定期券だけで買えます。
定期券発売所では、「定期券購入申込書」の記入が必要です(ネット予約などしていない場合)。
通学定期券の区間を変更するには?
自宅の引っ越しや、通うキャンパスの変更などで、使っている通学定期券の区間を変更したい場合は、次のものが必要です。
- 新しい区間を記載した「通学証明書」または「通学定期券購入兼用証明書/学生証」
- 使用中の定期券が必要。
実際は、区間変更ではなく、今の定期券を解約・払い戻しして、新しい定期券を買い直すという手続きになります。
通学定期券は本人以外(代理)でも買える?
通学定期券は、本人ではなく親御さんなど代理の人でも買えます。
先述の必要な書類などと合わせて、代理人の公的な身分証明書・本人確認書類(運転免許証、健康保険証、個人番号カードなど)が要ります。
通学定期券はどこで買える?
通学定期券は、各鉄道会社の定期券発売所(JRはみどりの窓口)で買えます。
また、自動発行機(券売機)も増えています。
自動発行機の場合、鉄道会社によっては、事前にインターネット予約が必要な場合があります。
新規購入時は、通学証明書などの必要書類をアップロードして提出します。
利用する鉄道会社の公式サイトで確認ください。
なお、発売所へ買いに行くときは発売時間や休業日に注意してください。駅の営業時間(始発~終電)=発売時間ではありません。
通学定期券はいつから買える?
通学定期券は、新規で作る場合も、今の定期券を継続する場合も、使い始めたい日の14日前(2週間前の同じ曜日)から買えます。
例えば、4月2日に使用開始したい定期券は、3月19日から買うことができます。
入学式や始業式の前日や当日は、発売所がめちゃくちゃ混むので、余裕をもって事前に買うようにした方がいいです。
今の通学定期券を継続する場合も、有効期限の14日前から購入できます。
たとえば、3月20日で期限切れる定期券の場合、3月21日スタートのものを、3月6日から買えます。
このように事前に継続購入した定期券は、必ず今の有効期限の翌日から使用開始になります。日は空けられません。
通学定期代はクレジットカードで払える?
クレジットカード対応になっている発売所では可能です。
ちなみに、クレジットカードは、その名義の本人しか使えません。
通学定期券を使う本人がクレジットカードを持っていないため、親御さんのカードで払うという場合は、親子で一緒に買いに行くか、親に代理で買いに行ってもらうかになります。
VISAやJCBなど国際ブランドが入ったデビットカードでも、支払えるところが多いです。
デビットカードは、中学生を除く15歳以上なら誰でも作れます。
通学定期券の払い戻しはできる?
卒業や転校、休学や退学などの理由で、今の通学定期券を使わなくなったときは、解約して、払い戻ししてもらえます。
払い戻しの計算は、基本的に月単位でやるので、そのタイミングによっては、返金が全く無い(ゼロ)こともありえます。
また、定期券の区間やルートを変更する場合も、先にも触れましたが、今の定期券を一旦払い戻ししてから、新たな定期券を買うことになります。
払い戻しや返金の計算方法については、この記事をご覧ください。
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