こんな疑問にお答えします。
【この記事の内容】
- 関西でVISAなどクレジットカード、デビットカードのタッチ決済に対応している交通機関と乗り方を紹介します。
最近は、コンビニやスーパーなどお店で、クレジットカードやデビットカードを機械にタッチするだけで、支払いできるところが増えています。
このタッチ決済は、鉄道やバスなど交通機関でも導入が進んでいます。
ICOCAやPiTaPaなどICカードがなくても、クレジットカードなどを改札機や読み取り機に、同じようにタッチすることで、運賃を支払えます。
ICカードと違うのは、(カードにもよりますが)「ポイント」が貯まることです。結果的には交通費や家計の節約につながります。
ここでは、関西(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)でタッチ決済が使える公共交通機関と、そのやり方・乗り方をまとめました。
関西でVISAなどタッチ決済で乗れる交通機関
まず、今現在、関西(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)で、クレジットカードなどのタッチ決済で乗れる交通機関は、下記のとおりです。
使えるカード会社(ブランド)は、各社ともVISAをはじめ次の6種類です。
- Visa
- JCB
- American Express
- Diners Club
- Discover
- 銀聯
※マスターカードは未対応です。
神戸では「神戸空港~三宮・新神戸~有馬温泉、六甲山」観光ルートの交通機関が「タッチ決済」で利用できます。
タッチ決済が使える関西の鉄道(電車・ケーブルカー・ロープウェイ)
鉄道 | 利用範囲 | 乗り方・注意点 |
近鉄電車 | 全線(柏原駅と生駒ケーブル各駅は除く) |
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南海電車 | 全線(対応駅のみ) |
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泉北高速鉄道 | 全線 |
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阪急電車 | 全線(花隈駅も含む) |
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阪神電車 | 全線(西代駅は除く) |
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大阪メトロ | 全線 |
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京都丹後鉄道 | 全線(列車限定) |
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大阪モノレール | 全線 |
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神戸市営地下鉄 | 全線 |
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ポートライナー | 全線 |
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神戸電鉄 | 谷上駅、有馬口駅、有馬温泉駅のみ |
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六甲ケーブル | 全線 |
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まやビューライン(摩耶ケーブル・ロープウェー) | 全線 |
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六甲有馬ロープウェー | 全線 |
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【導入準備中の鉄道】
北大阪急行 | 全線 | 2025年3月導入予定 |
山陽電車 | 全線 | 2025年春導入予定 |
能勢電鉄 | 全線 | 2025年3月導入予定 |
南海電車のタッチ決済注意点
南海電車では、すべての駅でクレジットカードなどのタッチ決済に対応していません。一部の駅だけです(下図)。
このため、タッチ決済が利用できるのは、対応駅と対応駅の間を乗るときだけです。
対応していない駅では、乗車も下車もできないので注意が必要です。
【タッチ決済対応駅】
南海線 |
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空港線 |
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高野線 |
|
※下記の駅では「タッチ決済」対応改札機の設置場所が限定されています。
難波駅 | 2階中央改札口、3階北改札口 |
---|---|
北野田駅 | 南改札 |
阪神電車のタッチ決済注意点
阪神電車は西代駅を除いた全ての駅で、クレジットカードなどのタッチ決済を利用できますが、自動改札機が未対応です。
このため、カードは、券売機や改札近く、または駅長室(梅田、尼崎、甲子園、御影、三宮)に設置されている読み取り機(下図)にタッチします。
その際、タッチする前に必ず駅員に(不在の場合はインターホンで)申し出ないといけません。読み込みが完了すると改札機を開けて通してくれます。
※大阪難波駅では、対応の自動改札機で利用できます。
※洲先駅と東鳴尾駅は改札機が無いので、読み取り機のタッチだけで大丈夫です。
京都丹後鉄道のタッチ決済注意点
京都丹後鉄道では、普通列車と快速列車でのみ、タッチ決済が使えます。
ただ、普通列車、快速列車でも、特急用の車両やJRの車両で運行される一部の便では利用できません。
タッチ決済できない具体的な列車(便)は、公式サイトで確認ください。
神戸電鉄のタッチ決済注意点
神戸電鉄で、タッチ決済に対応している駅は、「谷上駅」「有馬口駅」「有馬温泉駅」の3駅だけです。
また、タッチは改札機ではなく、改札窓口付近に設置されている読み取り機にします。
これら3駅と、大多数の未対応駅との間では、タッチ乗車できません。
六甲ケーブル、まやビューライン、有馬六甲ロープウェーの往復割引
六甲ケーブル、まやビューライン(摩耶ケーブル・摩耶ロープウェー)、有馬六甲ロープウェーでは、それぞれを往復で利用した場合に、運賃の割引があります。
まやビューラインと有馬六甲ロープウェーでは、クレジットカードなどのタッチ乗車した場合も、往復割引が適用されます。
ただし、いったんは片道ごとに精算して、差額は後日返金される流れとなります。
一方、六甲ケーブルでは、タッチ乗車すると、往復割引は適用されません。往復で利用する場合は注意が必要です。
タッチ決済が使える関西の路線バス
バス | 利用範囲 | 乗り方・注意点 |
南海りんかんバス |
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奈良交通バス |
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神戸シティーループ・ポートループバス |
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姫路城ループバス |
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みなと観光バス |
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六甲山上バス |
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【導入準備中のバス】
熊野御坊南海バス |
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2025年3春導入予定 |
南海りんかんバスのタッチ決済で乗れる路線
南海りんかんバスと奈良交通バスで、タッチ決済で利用できるのは、一部の路線だけです。
南海りんかんバスは、高野山内地区の路線(下図の範囲)が対応しています。
奈良交通バスのタッチ決済で乗れる路線
奈良交通バスでは、奈良市内の中心部、観光に便利な3路線でタッチ乗車できます。
- 奈良市内循環線(JR奈良駅~近鉄奈良駅~東大寺・春日大社~ならまち~JR奈良駅)
- 六条山線(春日大社~近鉄奈良駅~JR奈良駅~唐招提寺~薬師寺~総合医療センター)
- 奈良法隆寺線(春日大社~近鉄奈良駅~JR奈良駅~唐招提寺~薬師寺~法隆寺・近鉄郡山駅)
シティループ・ポートループでは1日800円で乗り放題
神戸市の中心部を循環している路線バス「シティーループ」と「ポートループ」では、クレジットカードなどのタッチ決済で、1日に合計800円以上乗車すると、何回乗っても801円を超えた金額は請求されません。
つまり、800円で1日乗り放題ということです。
ちなみに、通常の運賃は、シティーループが1回300円、ポートループが230円なので、1日3~4回の乗車でお得になります。
タッチ決済が使える関西のフェリー(船)
船 | 利用範囲 | 乗り方・注意点 |
南海フェリー | 全線(徒歩乗船の場合のみ)
|
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南海フェリーのタッチ決済注意点
南海フェリーで、クレジットカードなどのタッチ決済で乗船できるのは、車やバイクなどを伴わない、人だけの利用の場合だけです。
また、往復で利用する場合、タッチ決済では割引がききません。
南海フェリーと電車の乗り継ぎ割引
南海フェリーと南海電車を、和歌山港でクレジットカードなどのタッチ決済で、同じ日に乗り継ぐと、合計運賃が一律2,500円に自動割引されます。
大阪方面から徳島港へ、徳島港から大阪方面へ、両方向とも対象です。
実質、電車代が無料になるので、かなりお得です。
【乗り継ぎ運賃の例】
利用区間 | 電車 | フェリー | 通常合計 | 乗り継ぎ割引 |
難波駅~徳島港 | 930円 | 2,500円 | 3,430円 | 2,500円 |
堺駅~徳島港 | 840円 | 2,500円 | 3,340円 | |
関西空港駅~徳島港 | 930円 | 2,500円 | 3,430円 | |
中百舌鳥駅~徳島港 | 970円 | 2,500円 | 3,470円 | |
河内長野駅~徳島港 | 1,100円 | 2,500円 | 3,600円 | |
高野山駅~徳島港 | 1,860円 | 2,500円 | 4,360円 |
※電車とフェリーは同じカードでタッチ利用する必要があります。
※南海電車は「タッチ決済対応駅~和歌山港駅」の利用に限ります。
※泉北高速の区間は対象外です。ただ、中百舌鳥駅~和歌山港駅の運賃には割引が適用されます(請求は泉北高速の運賃+2,500円)。
関西の交通機関でタッチ決済に使えるカード
タッチ決済は、クレジットカードやデビットカードならどれで使えるわけではありません。
まず、その機能に対応しているものに限られます。
対応したカードには、表面に、の印が付いています(上の画像)。
この印があれば、クレジットカードに限らず、デビットカード、プリペイドカードも使えます。
特に、事前登録など手続きも必要ありません。そのままで利用できます。
クレジットカード | 支払った金額は、後日請求されます(後払い)。 |
デビットカード | 支払った時点で、銀行口座から直接引き落されます。口座に残高が必要です。15歳以上なら誰でも作れます(中学生は除く)。 |
プリペイドカード | 事前に現金をチャージしておいて、その残高から支払います。 |
また、これらのカードと紐づけたスマホや、ウェアラブル端末も使えます。
- スマホ:Apple PayまたはGoogle Payにカードを登録します。
- ウェアラブル端末:Garmin PayやFitbit Payにカードを登録します。
そして、各種カードの「国際ブランド」(VISAやJCBなど)が、利用する交通機関と提携されていないと使えません。
今の時点で、下記の国際ブランド(下記)は対応しています。
- Visa
- JCB
- American Express
- Diners Club
- Discover
- 銀聯
今持っているクレジットカードがタッチ決済に対応していない場合、おそらく有効期限切れで新カードに切り替わるタイミングで対応になると思います(カード会社に要確認)。
それを待たずに、前倒しで新しいカードに交換すると手数料がかかります。
このため、早く手に入れたいときは、新しく別のカードを作るのもありです。
また、デビットカードは銀行で作れます。最近はキャッシュカードと一体になっている場合も多いです。
口座をもっている銀行で確認してみてください。
2枚目のクレジットカードには「楽天カード」がおすすめです。
無職や主婦でも作りやすくて年会費無料、そして、何よりポイント還元が、100円につき1ポイント(一部除く)と高めでお得です。
ブランドは、VISA、マスターカード、JCB、American Expressの4つから選べます。
交通機関でタッチ決済のやり方(乗り方)
実際のタッチ決済のやり方や乗り方をみていきましょう。
【基本のき】クレジットカードなどをそのままタッチ
タッチ決済で交通機関を利用する際は、先述のとおり、印のあるクレジットカードなどを用意します。
そのカードを、乗り降りの際に、そのまま自動改札機やカード読み取り機に、直接タッチします。
スマホやウェアラブル端末の場合も同じです。
鉄道にタッチ決済で乗る
鉄道の場合、自動改札機を出入りする際にクレジットカードなどを直接タッチします。
ただし、改札機はタッチ決済に対応しているものに限ります。
タッチ決済が使える駅でも、すべての改札機が対応しているとは限りません。複数台のうちの一部です(大きな駅でも対応台数は少ないです)。
ICカードと比べて、この点は不便です。
路線バスにタッチ決済で乗る
路線バスでは、車内の出入口や運転席の運賃箱近くに、カードの読み取り機が設置されています。
そこにクレジットカードなどを直接タッチします。
ただ、バス会社や路線によって、タッチのタイミングや回数が違います。
均一運賃(全区間が同じ運賃)のところは、乗車時または下車時に1回タッチします。
距離によって運賃が変わる路線では、乗車時と下車時の両方でタッチします(合計2回)。この場合は、乗るときのタッチを忘れないようにしてください。
船(南海フェリー)にタッチ決済で乗る
南海フェリーでは、乗船場にカードの読み取り機が設置されています。乗船の際に、クレジットカードなどをタッチします。
※下船時にタッチは不要ですが、使ったカードやスマホ画面の提示を求められることがあります。
タッチ乗車中のカードは使用OK
タッチ決済で乗車したあと、下車するまでの間、その同じカードを別の決済に使ってもかまいません。
例えば、改札を入った駅ナカのコンビニや自販機、あるいは移動中にインターネットで、タッチ乗車に使ったクレジットカードで買い物できます。
乗車の履歴は専用サイトで確認
タッチ決済で交通機関に乗った履歴は、Q-move(https://q-move.info/)というサイトで確認できます。
※Q-moveの利用には最初に会員登録が必要です(無料)。
交通機関でタッチ決済乗車する場合の注意点
交通機関でクレジットカードなどのタッチ決済を利用する場合、次のような点に注意が必要です。
大人運賃だけに対応しています。
クレジットカードなどのタッチ決済で支払えるのは、大人運賃だけです。
複数人で利用できません。
クレジットカードなどのタッチ決済では、1枚のカードで複数人は乗り降りできません。
カードの持ち主本人(記名人)1人分の運賃だけが対象です。
切符やICカードと併用できません。
タッチ決済で乗車する際は、定期券や回数券などの切符やICOCAなどICカードと合わせて使うことはできません。
タッチ決済未対応の路線へ乗り越せません。
鉄道の場合、クレジットカードなどのタッチ決済にまだ対応していない鉄道会社・路線へは、タッチ決済乗車で乗り越せません。
逆に、タッチ決済対応済みの鉄道会社同士をまたいだ利用は可能です。
振替輸送は対象外です。
事故や故障などで電車が運転見合わせや大幅遅延になったときに「振替輸送」が実施されることがありますが、クレジットカードなどのタッチ決済で乗車している場合は、その対象になりません。
振り替え先の路線を利用する場合は、通常の運賃が発生します。
請求明細は日付ごとになります。
タッチ決済した運賃は、カード会社で日付けごとに集計されます。
このため、請求の明細には、1回1回の利用区間や運賃は記されません。
※実際の支い払い日(引き落とし日)は、使ったカード会社の規定にもとづきます。
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