こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本の「和歌山満喫わくわくパス」という周遊切符を紹介します(内容、値段、発売期間、買い方、使い方)。
今年の夏(7~9月)、和歌山へJRで旅行や帰省するのでしたら、JR西日本の「和歌山満喫わくわくパス」を、まずはチェックしてみてください。
これは、和歌山方面のJR乗り放題と、現地の交通、観光施設の利用がセットになった格安の周遊切符です。
ただ、購入や利用にあたって、スマホやICOCAが必要だったり、JR運賃をいったん立て替えるなど、注意点があります。
ここでは、「和歌山満喫わくわくパス」の内容と値段、発売期間、購入方法、利用方法、注意点をまとめました。
JR西日本「和歌山満喫わくわくパス」の発売は終了しました(2024年9月30日)。
JR西日本「和歌山満喫わくわくパス」ってどんな切符?
まず、「和歌山満喫わくわくパス」がどんな切符なのか、その内容と特徴を紹介していきます。
購入と利用にスマホとICOCAが必要。
「和歌山満喫わくわくパス」の購入や利用に際しては、次のものが必要です。
- インターネットにつながるスマホ(1人1台)
- ICカード「ICOCA(イコカ)」(JRの乗車用、1人1枚)
- 「KANSAI MaaS」アプリ(切符の購入、謎解きキット引き換え用)
- クレジットカード(切符代の支払い)
「和歌山満喫わくわくパス」は、紙の切符ではありません。
スマホとICOCAを使ったものになります(チケットレス)。
ICOCAは、今使っていたり、持っているもので大丈夫です。定期券やJR以外で買ったものでもOK。「スマートICOCA」や「モバイルICOCA」も使えます。
なお、使うICOCAは、番号を事前登録しないといけません(スマートICOCA、モバイルICOCAは不要。後述します)。
それから、スマホの方には、「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリが必要です。
「KANSAI MaaS(関西マース)」とは、JR西日本と関西の鉄道会社が連携して提供している関西のお出かけや観光に便利な情報や機能をそなえたスマホアプリです。
「App Store」「Google Play」から無料でダウンロードできます。
そして、「和歌山満喫わくわくパス」の支払いは、クレジットカード限定です。
ただ、VISAやJCBなど国際ブランドのデビットカード(口座直払い)も基本的に使えます。
京阪神、奈良、滋賀~和歌山・紀南のJRが乗り放題!
「和歌山満喫わくわくパス」では、下図の範囲で、JRの普通列車(新快速、快速を含む)を、3日間乗り放題で利用できます。
このように、京阪神などから和歌山・紀南まで、広い範囲が対象です。
和歌山県内の鉄道やバスもセット
「和歌山満喫わくわくパス」では、次の和歌山県内の鉄道やバスも利用できます。
高野山や熊野古道などJRでは行けない場所へアクセスできて観光に便利です。
鉄道・バス (乗り換え駅) |
セットの周遊切符 | 内容 |
南海電車 (橋本駅) |
高野山・世界遺産きっぷ |
※難波駅からは利用できません。 |
和歌山電鐵 (和歌山駅) |
貴志川線1日乗車券 |
※ネコ駅長や可愛い装飾電車で人気のローカル線です。 |
紀州鉄道 (御坊駅) |
3DAY乗車券 |
※日本で一番短いローカル鉄道です。 |
龍神バス (紀伊田辺駅) |
熊野本宮線3日間フリー乗車券 |
|
明光バス (白浜駅) |
白浜とくとく3日フリー乗車券 |
|
熊野御坊南海バス (紀伊勝浦、那智、新宮駅) |
悠遊フリー2日乗車券 |
|
高野山、白浜、勝浦の観光施設付き
「和歌山満喫わくわくパス」には、次の3か所の観光施設の利用が付いています。
- 「高野山デジタルミュージアム」VRシアター鑑賞券(南海高野山駅からバス)
- 「白浜海中展望塔」入場券(白浜駅からバス)
- 「紀の松島めぐり」Aコース乗船券(紀伊勝浦駅)
JR乗り放題「和歌山満喫わくわくパス」の値段はいくら?
「和歌山満喫わくわくパス」の値段はこちら。
大人用のみの発売です。
大人 | 7,800円 |
「和歌山満喫わくわくパス」の値ごろ感はどうなのか、参考までに、通常の運賃や料金を挙げてみました。
【通常の運賃・料金の例】
JRの主な区間 | 片道運賃 |
大阪駅~新宮駅 | 4,840円 |
大阪駅~白浜駅 | 3,080円 |
大阪駅~和歌山駅 | 1,280円 |
京都駅~新宮駅 | 4,510円 |
京都駅~白浜駅 | 4,070円 |
京都駅~和歌山駅 | 1,880円 |
三ノ宮駅~新宮駅 | 5,500円 |
三ノ宮~白浜駅 | 3,740円 |
三ノ宮駅~和歌山駅 | 1,880円 |
和歌山駅~橋本駅 | 860円 |
和歌山駅~白浜駅 | 1,980円 |
和歌山駅~新宮駅 | 3,740円 |
白浜駅~紀伊勝浦駅 | 1,520円 |
白浜駅~新宮駅 | 1,690円 |
紀伊勝浦駅~新宮駅 | 240円 |
JR以外の鉄道・バス | 運賃・料金 |
南海電車「高野山・世界遺産きっぷ」 | 2,820円 |
和歌山電鐵「貴志川線1日乗車券」 | 800円 |
紀州鉄道(JR御坊駅~西御坊駅) | 片道150円 |
龍神バス「熊野本宮線4日間フリーチケット」 | 4,000円 |
明光バス「白浜とくとく3日フリー乗車券」 | 1,900円 |
熊野御坊南海バス「悠遊フリー2日乗車券」 | 3,500円 |
観光施設 | 料金 |
高野山デジタルミュージアム | 1,000円 |
白浜海中展望塔 | 2,000円 |
「紀の松島めぐり」Aコース | 1,800円 |
このように、JRだけの利用でも元は取りやすいです。出発地や和歌山の行先によっては、単に往復でもお得。
セットの鉄道・バスの切符や観光施設を利用すれば、お得さがぐっと増します。
【要確認】「和歌山満喫わくわくパス」の注意点
「和歌山満喫わくわくパス」の値段には、大事な注意点があります。
それは、JRに乗る際は毎回、いったん運賃をICOCAで払わないといけないということです。
でも、支払った運賃は、「和歌山満喫わくわくパス」の使用後に集計されて、翌月末に全額まとめて「WESTERポイント」で返ってきます。
つまり、運賃を一時的に立て替えるイメージです。
このため、予算は切符代(7,800円)と見込みの運賃分が必要になります。
金額的には損しませんが、「和歌山満喫わくわくパス」は乗り放題なので、乗れば乗るほど得ですが、その分、出費が増えるというジレンマが生まれます。
特に、京阪神から南紀方面だと、運賃は片道4,000円前後するので、一時的とはいっても、それなりの負担になります。
それから、返金は現金ではなく「WESTERポイント」で行われるという点も、確認が必要です。
WESTERポイントも、いろいろ使い道がありますが、現金には及びません。
まとめると、「和歌山満喫わくわくパス」を利用するにあたっては、次の2つの点を確認しておいてください。
- 予算は「切符代金7,800円+運賃立て替え用」分が必要なこと。
- 返金は現金ではなくポイントであること。
JR西日本「和歌山満喫わくわくパス」の発売期間と有効期間は?
「和歌山満喫わくわくパス」とも、期間限定の発売です。
発売期間(買える期間)
有効期間(使える期間)
※利用当日は、JRの始発から終発まで乗り放題できます(日付をまたがる場合は、0時を過ぎて最初の範囲内の駅の改札機を出るまでOK)。
※現地の電車・バスや観光施設も、JRの利用と同じ期間中に限って有効です。
JR乗り放題「和歌山満喫わくわくパス」はどこで買える?(買い方・購入方法)
「和歌山満喫わくわくパス」は、「KANSAI MaaS(関西マース)」という観光アプリ限定発売です。
購入は、利用する1ヶ月前から当日までできます。
支払い方法は、クレジットカードのみです。ただ、VISAやJCBなど国際ブランドが付いたデビットカードでも基本支払えます。
「KANSAI MaaS」アプリでの買い方は簡単です。
アプリを開いて、「チケット」のなかから「和歌山満喫わくわくパス」を選んで、購入手続きを進めていきます。
最初に、購入数(1人分のみ)と利用予定日を選択し、最後にクレジットカード番号を入力して終了です。ほどなく確認メールが届きます。
利用日は、後で変更できます(未使用で有効期間内)。手数料はかかりません。
ただ、払い戻しの場合は、手数料220円が発生します。
「KANSAI MaaS」を初めて使う際は、会員登録が必要です。
登録画面で規約同意したあと、メールアドレス認証⇒パスワード設定し、あなたの基本情報を入力します。
その項目はこちら。
- 名前(漢字、フリガナ)※必須
- 電話番号
- 性別 ※必須
- 生年月日
- 居住国
- 郵便番号
- アンケート(メールマガジンの要否、興味関心)
- ICカード番号(ICOCA、PiTaPa)
名前と性別だけが必須です。これだけで「KANSAI MaaS」のほとんどの機能が使えます。
「和歌山満喫わくわくパス」の購入には、さらに電話番号、生年月日、郵便番号、ICOCA番号の登録が必要です。
JR西日本「和歌山満喫わくわくパス」の利用方法は?
「和歌山満喫わくわくパス」の利用方法(使い方)も、一般的なJR切符と違っています。
前もって準備することがありますので、特に注意が必要です。
前日までにICOCA番号を登録
「和歌山満喫わくわくパス」を利用するために、利用開始する当日までに、使用するICOCAの番号を次の2か所に登録します。
- 「KANSAI MaaS」アプリ
- 「WESTERポイントサービス」(スマートICOCA、モバイルICOCAは除く)
ICOCAの番号は、カードの裏に記載されています(モバイルICOCAは管理画面に)。
なお、すでに登録済みでしたら、この手続きは必要はありません。
「KANSAI MaaS」アプリへのICOCA登録は、「マイページ」でできます。
「WESTERポイントサービス」への登録は、次の場所で行えます。
なお、「スマートICOCA」「モバイルICOCA」を使う場合は登録不要です。
- スマホアプリ「WESTER」
- JR西日本公式サイト「WENTER会員サポート」ページ(パソコンからもOK)
- JR西日本の駅券売機(青色、ピンク色の機種)
このなかでは、駅の券売機が一番楽です。入力作業はなく、30秒ほどで完了します。
「和歌山満喫わくわくパス」の利用開始
「和歌山満喫わくわくパス」を利用する当日は、最初にスマホの「KANSAI MaaS」アプリのなかの「和歌山満喫わくわくパス」を選んで、「利用開始」の操作をします。
そして、そのスマホと、登録済みのICOCAを忘れずに持って出かけます。
JRに乗るには?
「和歌山満喫わくわくパス」では、JRに乗るときは、登録したICOCAを使います。
ICOCAは、乗車駅と下車駅の自動改札機(またはカード読み取り機)「両方」で、タッチして出入りします。下車の際に、残高からいったん乗った分の運賃が引かれます。
ICOCAの残高が不足している場合は、券売機や精算機でチャージ(入金)してから改札機にタッチします。
なお、ポイント還元される運賃は、「和歌山満喫わくわくパス」の乗り放題範囲内で利用した分です。
範囲の内と外をまたぐ乗車は、全区間が還元の対象外になります。
例えば、姫路駅から白浜駅まで乗り通す(直行)と、全区間の運賃はポイント還元の対象外です。
これではもったいないので、乗り放題範囲の境目の「明石駅」で、いったん下車して改札の外へ出ます。そして、ICOCAであらためて改札を入って、白浜駅まで乗車します。
面倒ですが、こうすることで、明石駅~白浜駅の運賃は戻ってきます。逆にそうしないと損です。
乗り放題範囲の中から外へ出るときも同じです。
ポイントが返ってきたらICOCAにチャージ
「和歌山満喫わくわくパス」で、当日、乗り放題範囲で乗った分の運賃は、翌月の末に「WESTERポイント」で返ってきます。
その「WESTERポイント」は、そのままでは使えません。ICOCAの中に入れてやる必要があります(=チャージ)。
その手続きは、JR西日本の駅にある券売機や精算機、チャージ機で簡単に行えます。
チャージの期限は25カ月後です。それを超えると、自動的に消えてしまいます。
なお、「モバイルICOCA」の場合は、スマホのアプリ上でチャージ操作ができます。
このため、JR西日本の駅にチャージに行けない人は、「モバイルICOCA」の利用がおすすめです。
ICOCAにチャージしたあとのポイントは、1ポイント=1円として、ICOCAに対応している全国の鉄道やバスの運賃や、コンビニやスーパーなど加盟店での買い物や飲食の支払いなどに使えます。
鉄道・バスの周遊切符、観光施設を利用するには?
JR以外の鉄道・バスの周遊切符や観光施設は、スマホに「KANSAI MAAS」アプリのチケット画面を表示させて使います。
その画面を係員や乗務員に、そのまま提示するだけで利用できます。
ただし、下記の3つは、スマホ画面を指定の引き換え場所で提示して、切符の現物を受け取る必要があります。
対象の切符 | 引き換え場所 |
南海電車「高野山・世界遺産きっぷ」 | 南海電車橋本駅(2階)の窓口 |
和歌山電鐵「貴志川線1日乗車券」 | 和歌山駅9番のりばの窓口 |
熊野御坊南海バス「悠遊フリー2日乗車券」 | 新宮駅前きっぷ売場、紀伊勝浦駅前きっぷ売場、熊野本宮観光協会 |
※南海電車、高野山内バスは、ICOCAで乗車しないようにしてください(通常運賃をとられます)。
※和歌山駅での「JR⇔和歌山電鐵」、御坊駅での「JR⇔紀州鉄道」の乗り換えの際は、JR側のICOCA読み取り機に必ずタッチしてください。
JR西日本「和歌山満喫わくわくパス」公式サイト
「和歌山満喫わくわくパス」の詳細や最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
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