
こんなお悩みにお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本の「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」という切符を紹介します(内容、値段、発売期間、買い方、使い方)。
伊賀・信楽方面へ観光などでお出かけを検討しているなら、JR西日本の「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」をチェックしてみてください。
これは、宇治茶の名産地、京都・山城地区と、忍者や松尾芭蕉、焼き物で知られている伊賀・信楽地区へのJRの乗り放題と現地の観光がセットになった格安の1日乗車券です。
ただ、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」は、一般の切符と違って、購入や利用にはICOCAとスマホが必要になります。
ここでは、こうした点をふくめて、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の内容と値段、発売期間、購入方法、利用方法をまとめました。

JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」ってどんな切符?
まずはじめに、JRの「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」ってどんな切符なのか、内容と特徴から紹介していきます。
購入・利用にスマホとICOCAが必要です
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」は、駅で切符を発行しません(チケットレス)。
その代わりに、次のものが必要になります。
- インターネットにつながるスマホ(1人1台)
- ICカード「ICOCA(イコカ)」(JRの乗車)
- 「KANSAI MaaS」アプリ(切符の購入、特典利用)
- クレジットカード(切符代の支払い)
まず、スマホとICOCAが必須です。
そして、スマホには「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリをインストールしておきます。
「KANSAI MaaS(関西マース)」とは、JR西日本など関西の鉄道会社7社が共同で提供している関西のお出かけ情報や便利な機能をそなえたスマホアプリです。
「App Store」「Google Play」から無料ダウンロードできます。
ICOCAは、今使っていたり、持っているものがあればそれで大丈夫です。JR以外で購入したものでもOK。
「スマートICOCA」や「モバイルICOCA」も使えます。
そして、当日使うICOCAは、事前に番号登録しておく必要があります(スマートICOCA、モバイルICOCAは不要。後述します)。
あと、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の代金支払いは、クレジットカードになります。
JRが大阪、京都、奈良、滋賀で1日乗り放題!
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」では、下図の範囲で、JRの普通列車(新快速、快速を含む)を1日乗り放題で利用できます。
このように、大阪、京都、奈良、滋賀、三重のそれぞれ一部にまたがる広い範囲です。
京都や伊賀、信楽のついでに、別のところへ足を伸ばしたりも可能です。
伊賀鉄道、信楽高原鐡道も利用できる(1往復)
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」では、ローカル線の伊賀鉄道と信楽高原鐡道にも乗ることができます。
ただし、それぞれ乗車は行き帰り1回ずつ(1往復)です。乗り放題ではありません。
鉄道会社 | 利用できる区間(1往復) |
伊賀鉄道 (伊賀上野駅のりかえ) | 伊賀上野駅~上野市駅 |
信楽高原鐡道 (貴生川駅のりかえ) | 貴生川駅~信楽駅 |
観光施設2か所の利用付き
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」には、下記2か所の観光施設を利用できます。
- 道の駅「お茶の京都みなみやましろ村」お買い物券500円分(お土産のティーパック付き)【JR月ケ瀬口駅】
- 「伊賀流忍者博物館」入館券(手裏剣打ち体験付)【伊賀鉄道上野市駅】
※上記の施設に行く場合は、最新の営業時間や休業日を確認ください。利用できなくても切符代の返金などはありません。
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の発売期間と有効期間は?
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の発売期間と有効期間は、下記のとおりです。
発売期間(買える期間)
有効期間(使える期間)
※JRは利用当日の始発から終電まで乗り放題できます。
※伊賀鉄道、信楽高原鐡道、「道の駅 お茶の京都みなみやましろ村お買い物券」、「伊賀流忍者博物館入館券」は、JRの利用と同じ日に限って有効です。
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の値段はいくら?(注意点あり)
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の値段はこちら(1人あたり)。大人用のみの発売です。
大人 | 4,000円 |
この金額がお得なのかどうか、値ごろ感をイメージできるように、参考までに、通常の運賃や料金をみておきましょう。
【通常の運賃・料金の例】
JRの主な区間 | 片道運賃 |
初乗り運賃 | 140~170円 |
大阪駅~伊賀上野駅 | 1,520円 |
京都駅~伊賀上野駅 | 1,170円 |
奈良駅~伊賀上野駅 | 680円 |
月ヶ瀬口駅~伊賀上野駅 | 240円 |
大阪駅~京都駅 | 580円 |
大阪駅~奈良駅 | 820円 |
京都駅~奈良駅 | 720円 |
京都駅~貴生川駅 | 770円 |
大阪駅~貴生川駅 | 1,520円 |
貴生川駅~伊賀上野駅 | 510円 |
観光セット分 | 通常料金など |
伊賀鉄道(伊賀上野駅~上野市駅) | 片道280円 |
信楽高原鐡道(貴生川駅~信楽駅) | 片道470円 |
伊賀流忍者博物館(入館+手裏剣打ち体験) | 1,000円+300円 |
観光セットの部分(道の駅の買物券込み)だけで3,300円分相当です。単純計算ですが、JRの1日乗り放題は700円。
大阪駅や京都駅から伊賀上野駅までの片道運賃よりも安いです。
セットの観光をすべて利用しなくても、使い方次第で、元は取りやすいと思います。
ただ、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の値段については、注意点があります。
一般的な乗り放題の1日乗車券は、買うときに代金を支払えば終わりです。そのあと、対象の範囲内でしたら、いくら乗っても運賃は発生しません。
ところが、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の場合は、JRに乗るごとに、ひとまず運賃を支払わないといけないんです。
つまり、購入時に切符代(4,000円)を払ったうえに、当日もJRに乗るたびに運賃を毎回払います(実際は、ICOCAの残高から引き落とし)。
しかし、その支払った運賃は、翌月末に全額まとめて「WESTERポイント(チャージ専用)」で戻ってきます。
運賃を一時的に立て替えるようなかたちです。
金額的には損にはなりません。
でも、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」を購入するにあたっては、次の2つの点を確認しておく必要があります。
- 予算は「切符代金4,000円+当日利用の運賃」分を用意しておかないといけないこと。
- 当日支払った運賃は、現金の返金ではなく「ポイント」で還元されること。
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」はどこで買える?(買い方・購入方法)
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の発売は、「KANSAI MaaS(関西マース)」というアプリ内限定です。
利用する1ヶ月前の10時から当日の15時まで購入できます。
支払い方法は、クレジットカードのみになります。
アプリでの買い方は簡単です。
「KANSAI MaaS」アプリを開いて、「チケット」のなかから「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」を選んで、購入手続きを進めていきます。
最初に、購入数(1人分のみ)と利用予定日を選択し、最後にクレジットカード番号を入力して終了です。ほどなく確認メールが届きます。
利用日は、未使用(利用開始操作する前)で利用当日の15時まででしたら、KANSAI MaaSアプリの操作で変更できます。手数料はかかりません。
ただ、払い戻し(取り消し)する場合は、手数料220円が発生します。
※アプリの利用開始操作したあとは、変更も取り消しもできません。
「KANSAI MaaS」を初めて使う際は、会員登録が必要です。
登録画面で規約同意したあと、メールアドレス認証⇒パスワード設定し、あなたの基本情報を入力します。
その項目はこちら。
- 名前(漢字、フリガナ)※必須
- 電話番号
- 性別 ※必須
- 生年月日
- 居住国
- 郵便番号
- アンケート(メールマガジンの要否、興味関心)
- ICカード番号(ICOCA、PiTaPa)
名前と性別だけが必須です。これだけで「KANSAI MaaS」のほとんどの機能が使えます。
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の購入には、電話番号、生年月日、郵便番号、ICOCA番号の登録が必要です。
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の使い方は?(利用方法)
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の使い方(利用方法)も、一般的なJR切符とは違います。
特に、前もって準備することがありますので、確認しておいてください。
事前の準備、使うICOCAの登録
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」を利用するに、当日に使うICOCAの番号を、利用開始するまでに、次の2か所への登録を済ませておく必要があります。
費用はかかりません。
当日の利用開始してから、あるいは帰ってきてから登録すると遅いです。
ICOCAの番号は、カードの裏に記載されています(モバイルICOCAは管理画面に)。
ICOCA番号の事前登録先
- 「KANSAI MaaS」アプリ
- 「WESTERポイントサービス」(スマートICOCA、モバイルICOCAは不要)
なお、すでに登録済みでしたら、この手続きは不要です。
「KANSAI MaaS」アプリでへのICOCA登録は、「マイページ」でできます。
「WESTERポイントサービス」への登録は、次の場所で行えます。スマートICOCAやモバイルICOCAを使う場合は登録不要です。
- スマホアプリ「WESTER」
- JR西日本公式サイト「WENTER会員サポート」ページ(パソコンからもOK)
- JR西日本の駅券売機(青色、ピンク色の機種)
これらのなかでは、駅の券売機が一番楽です。入力作業はなく、30秒ほどで完了します。
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の使い方
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」を利用する当日は、まず「KANSAI MaaS」アプリにある購入済みの「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」を選んで「利用開始」します。
そのスマホと、登録済みのICOCAを持って、いざ出発です!
JRに乗るには?
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の乗り放題範囲で、JRに乗るときは、事前登録済みのICOCAを使います。
ICOCAは、乗車駅と下車駅の自動改札機「両方」で、タッチして出入りします。下車時に、残高から運賃が引かれます。
使い方は、このように普通どおりで、特別なことはありません。
ただ、タッチしなかったり、ちゃんとタッチできてなくてエラーが出たりすると、運賃がポイント還元されないので、普段より確実にタッチする意識が大切です。
もし、ICOCAの残高が不足している場合は、券売機や精算機でチャージ(入金)してから改札機にタッチします。
なお、ポイントで還元される運賃は、「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の乗り放題範囲内で乗った分に対してです。
範囲の内と外をまたいだ乗車は、全区間が還元の対象外です。
範囲外の駅からの場合、京都や伊賀まで直行すると、ポイントがまったく付きません。
このため、面倒くさいですが、いったん範囲の境界駅(尼崎駅、京都駅、草津駅、天王寺駅など)で降りて、ICOCAで改札機を出入りします。
こうすることで、範囲内の運賃はポイントで戻ってきます(帰りも同じ)。
ポイントが返ってきたらICOCAにチャージ
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の乗り放題範囲で使った運賃は、その翌月末に「WESTERポイント(チャージ専用)」で返ってきます。
その「WESTERポイント」は、ICOCAに充填(チャージ)しないと使えません。
その手続きは、JR西日本の駅にある券売機、精算機、チャージ機で簡単に行えます。
チャージの期限は25カ月後まで。それを超えると、自動的に消えてしまいます。
なお、「モバイルICOCA」の場合は、スマホのアプリ上でチャージ操作ができます。
JR西日本の駅にチャージに行けない人は、「モバイルICOCA」の利用がおすすめです。
ICOCAにチャージしたあとは、1ポイント=1円として、ICOCAに対応している全国の鉄道やバスの運賃や、コンビニやスーパーなど加盟店での買い物や飲食の支払いに使えます。
他社線、観光施設を利用するには?
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」にセットされている伊賀鉄道と信楽高原鐡道の利用や「道の駅 お茶の京都みなみやましろ村 500円分のお買い物券」の引き換え、「伊賀流忍者博物館」の入館は、それぞれのチケット画面を、スマホに表示させて係員に提示します。
JR西日本「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」公式サイト
「お茶と忍びの里まるごと満喫パス」の最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
コメント