こんなお悩み、疑問を解決します。
この記事の内容
- 回数券の基礎知識(基本のき~乗り越し、払い戻しまで)
- 回数券の便利な使い方
電車の切符に、回数券というものがあることは、使ったことがなくても、知ってると思います。
電車代の節約には定番の切符です。
でも、回数券のことを誰から教えられたわけではないと思います。疑問に感じていることや、そもそも知らないことがあるはず。
そこで、ここでは電車の回数券について、関西の例を用いながら、どんな切符なのか、そして、上手に使いこなすためのヒントをまとめました。
なお、鉄道業界では、回数券の廃止が続いています。すでに、JRの全社、ほとんどの大手私鉄(京成、京急、京王以外)で発売を終了しています。
ちなみに、今現在、関西での発売状況は、このようになっています。
【関西の鉄道】回数券の発売状況
鉄道会社 | 発売中の回数券 |
北大阪急行 |
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京都市営地下鉄 |
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神戸市営地下鉄 2024年12月31日発売終了 |
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ポートライナー・六甲ライナー |
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近江鉄道 |
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水間鉄道 |
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北条鉄道 |
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智頭急行 |
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京都丹後鉄道 |
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和歌山電鐵 |
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※2024年5月現在の状況です。最新の情報は各社の公式サイトなどで確認ください。
回数券とはどんな切符?
最初に、回数券とはどんな切符なのか、確認しておきましょう。
回数券は、正式には「回数乗車券」といって、同じ区間をよく利用する乗客向けに、通常の運賃を割引した乗車券です。
回数券の種類
回数券というと、10回分の運賃で11回乗車できる(1回は無料)、1回あたり約9%割引になるものが一般的です。
これは、「普通回数券」と呼ばれます。
このほかに、鉄道会社によっては、独自の回数券を発売しています。
なかでも、利用できる時間帯や曜日を制限して割引率をUPした「時差回数券」「土休日回数券」は、多くの私鉄、地下鉄で採用されています。
回数券の種類 | 普通回数券 (大人用・子供用) |
時差回数券 (大人用のみ) |
土休日回数券 (大人用のみ) |
利用できる日時 | いつでも | 平日10:00~16:00と土休日の終日 | 土休日の終日 ※お盆や年末年始の休日ダイヤの平日も |
発売の単位例(会社によって異なります) | 11回用 (10回分の運賃) |
6回用 (5回分運賃) 12回用 (10回分運賃) |
7回用 (5回分運賃) 14回用 (10回分運賃) |
割引率 | 9.1% | 16.7% | 28.6% |
「時差回数券」は「昼間(割引)回数券」とか「オフピーク回数券」といった名前のところもあります。
1セットの枚数(発売単位)も各社で異なります。
回数券は、まとまった枚数(回数分)で買わないといけませんが、1回目の乗車から運賃が割引になりますので、確実に電車代の節約になります。
回数券の有効期間(使用期限)
回数券には、有効期間(使用期限)があります。ほとんど鉄道会社も3ヶ月間となっています。
ただし、会社によって3ヶ月間の数え方が違います。2通りあります。
- 買った日から3か月後まで(近鉄、智頭急行、丹鉄など)
- 買った日が属する月の翌月から、3か月目の末日まで(神戸地下鉄、京都地下鉄など)
【2】の場合、例えば8月9日に買った回数券の有効期限は、9月から数えて3か月目の末日の11月30日となります。
この方式のところでは、月の初めに買った方が有効期間が長くなります。
回数券のカタチ
回数券には、1枚ずつバラバラになった「切符タイプ」のものと、1枚のカードになっている「カードタイプ」の2つの形態があります。
現在は「切符タイプ」が主流です。
※関西では近鉄のみ「カードタイプ」です。
大阪地下鉄(メトロ)で発売している「回数カード」は、3,000円で3,300円分乗れるというプリペイドカードです。紛らわしい名前ですが、回数券とは違います。
回数券の2つの方式
回数券は同じ区間を複数回利用する際にお得な切符ですが、この「区間」の決め方に2つの方式があります。
1つは、利用できる区間を「A駅~B駅」を駅名で指定しているもの(区間式)です、もう一つは「230円区間」など運賃の金額で指定しているもの(金額式)です。
区間式は、記載されている2つの駅の間しか乗れません。たとえ同じ運賃であったとしても別の区間では利用できません。
金額式は、記載の運賃の区間であれば、乗車する区間にしばりはありません。
その他
回数券は途中下車できません。
回数券は普通の切符と同じで、目的地までの途中の駅で下車する(改札から駅の外へ出る)ことはできません。
もし途中下車すると、その先の区間は無効になります(改札機に回収されます)。
特急券や指定席券とセットで使えます。
新幹線や別料金が必要な特急電車や指定席車両に乗りたいときは、回数券に、特急券や指定席券を追加購入することで利用できます。
回数券は普通の乗車券と同じ扱いです。
回数券の便利な使い方
回数券を同行者とシェアして使えます。
回数券は、決まった区間を複数回利用する人向けの割引切符ですが、複数人で同じ区間を利用するときにも使えます。
家族や友達と連れだって出掛けるときは、それぞれで切符を買うのではなく、回数券を共同買いすると、みんなの電車代が実質割引になります。
鉄道会社によっては、「時差回数券」や「土休日回数券」を6回分や7回分と”少量”で発売していますので使いやすいです。
カードタイプの回数券でもシェアできます。
このシェアする使い方は、回数券の”基本のき”でよく知られていますが、カードタイプの回数券ではできないと思っている人がちょこちょこいます。
それは誤解でカードタイプでも、駅の券売機で必要枚数分の切符タイプに引き換えることができます。そして、同じようにシェアして使えます。
回数券が2枚以上必要なときは、券売機に立ち寄ってこの操作をやってください。ちょっと面倒ですが、操作自体は簡単です。
ただし、引き換えた回数券は、その日しか使えませんので注意してください。
回数券の種類をお得に使い分けましょう。
先に触れましたが、鉄道会社によっては、一般的な普通回数券のほかに、割引率がぐっと高い「時差回数券」や「土休日回数券」を発売しています。
これらを改札を通る時間や曜日に合わせて上手く使い分けると、電車代の節約につながります。
特に「土休日回数券」にいたっては3割近くも安くなるので、休みの日に電車でちょくちょく出かける人は要チェックです。
使うにあたって、ややこしく感じるのが「時差回数券」ですが、利用できる時間帯だけ頭に入れておけば、大したことありません。
「乗り越し」で回数券を活用できます。
あえて回数券で乗り越す
回数券は決まった区間を利用するものですが、あえて、その区間を越える(乗り越す)場合に使うということもアリです。
普通に目的駅まで「通し」の切符を買うよりも、途中まで回数券を使う分、全体として実質安くなります。
ただ、先に触れた回数券の方式(「区間式」と「金額式」)によって、損になる場合もありますので注意してください。
金額式回数券⇒乗り越し区間の運賃との差額を払う
関西の私鉄、地下鉄など多くの鉄道会社の回数券は「金額式」(○○円区間)です。
この回数券で乗り越した場合の運賃精算は、乗車駅からの普通運賃と回数券の金額との差額を払うことになります。
例えば、A駅からC駅まで(普通運賃320円)を利用する際、270円区間の回数券を持っていたとすると、C駅での乗り越し精算額は差額の50円になります。
回数券の区間は割引になっていますので、全体としては普通に通しの切符を買うよりもお得になります。
区間式回数券⇒乗り越し区間の運賃全額を払う
「区間式」の回数券の場合は、乗り越しした区間の運賃の全額が別にかかります。差額ではありません。このため、回数券で乗り越すと損になることが多いので注意が必要です。
これは、区間式が「記載されている駅と駅の間だけを安くしますよ」という性格のものなので、その回数券で乗れない区間については、切符を「買い足す」かたちになるからです。
例えば、「A駅~B駅」(普通運賃410円)の回数券で、B駅の先のC駅まで乗り越した場合、B駅~C駅の普通運賃(160円)がまるまるかかります。
A駅~C駅を通しで買うと普通運賃は560円なので、この場合は回数券で乗り越すと値段的に損になります。
このように、区間式の回数券で乗り越しすると、差額を払うわけではないので注意してください。
乗り越し精算の支払いに使う。
回数券は、手持ちの定期券や普通の乗車券で乗り越したときの精算に使える場合があります。
例えば、乗り越した区間の運賃が200円だった場合(=運賃の不足分200円)、私鉄や地下鉄なら200円区間の回数券(あるいは、200円以下の回数券+不足分の現金)で、区間式ならその区間をカバーしている回数券で精算できます。
※乗り越し区間の運賃以上の回数券でも精算できますが、お釣りは出ません。
なお、ICカードと一体になった定期券(ICOCA定期、PiTaPa定期など)で乗り越した場合、回数券は併用できません。
定期券でも、磁気カード式(従来型)のものでしたら、回数券と併用できます。
回数券を使わなくなっときはどうする?「払い戻し」は?
回数券を買ったものの、有効期限までに使い切れないとか、生活の変化で使わなくなったという場合、残った分を駅の窓口で払い戻ししてもらえます。
ただし、有効期間が残っている未使用分についてだけです。期限切れのものは対象外。
また、払い戻しの際は手数料がかかります。
払い戻し金額は、以下の計算式で決まります。
払い戻し額=回数券の発売額/購入額-(使った枚数×普通運賃)-手数料
【例】普通回数券140円区間11回券8回使用済み、手数料220円の場合
1,400円-(140円×8回+220円)=60円
回数券を買ったときの金額よりも、使った枚数分の普通運賃+手数料のほうが上回っている場合は、払い戻しはありません。
※払い戻し手数料は220円~230円です(会社によって違います)。
余った回数券(カードでも)は、金券ショップによっては買い取ってもらうことができます。
同じ系列の店でも、それぞれで買取価格や条件が異なります。
あなたが売ろうとする回数券を買いたい人が多そうな(ニーズがある)立地にある店に持ち込むのがポイントです。
有効期限ギリギリのものだと断られますので、売るときは早めに決断しましょう。
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