こんな疑問にお答えします。
【この記事の内容】
- JR西日本のICOCAとPiTaPaを使った割引サービスのどちらがお得なのかを比較しました。
JR西日本は、2022年(令和4年)9月末で回数券の発売を終了しました。
このことで、普段、決まった区間をちょこちょこ乗っている人にとっては、手軽な節約切符がなくなっていまいました。
その後から、ICカードの「ICOCA(イコカ)」と「PiTaPa(ピタパ)」を使った運賃の割引サービスが始まりましたが、回数券ほどお得ではありません。
でも、今のところ、普段使いのJR代節約方法としては、ほぼ唯一です。利用できるなら利用した方がいいです。
ここでは、今はなき回数券を踏まえながら、ICOCA、PiTaPaを使う運賃割引サービスがどれくらいお得なのかをまとめました。
JRの回数券とICOCA・PiTaPa割引サービスとの違い
回数券とICOCA・PiTaPa割引サービスの大きな違い
JR西日本のICOCA、PiTaPaの運賃割引サービスとは、毎月1日~末日の間に、同じ運賃区間を10回利用すると、11回目の運賃から1乗車につき10%割引になるというものです(利用回数割引)。
つまり、月に11回乗って、初めて10%分の割引がつき始めます。1回目から10回目までは全く割引なしです。
そして、その利用回数も、月が替わったらリセット。また1回目からスタートになります。
一方、回数券は、11回分が1セット(10回分の値段)で、1回目の乗車から割引運賃で利用できました。
有効期間も3か月ありました。
これらのことが回数券と、ICOCA・PiTaPaとの大きな違いです。
旧・回数券 | ICOCA・Pitapa | |
利用対象の区間 | 回数券に記載の区間 (○○駅~○○駅) |
駅に関係なく同じ運賃の区間 (○○円区間) |
割引の適用 | 1枚目の利用から割引が適用されます(9.1%) | 11回目以降の利用から1回につき10%割引。10回目まで割引ありません。 |
有効期間/集計期間 | 買った日から3ヶ月有効 | 1ヶ月間(1日~末日) |
このように、今はなき回数券の方が、お得なのは明らかです。
ICOCAとPiTaPaはどっちがお得?
回数券がなくなった今は、ICOCA・PiTaPaの割引サービスしかありません。
そうなると、ICOCAとPiTaPaのどっちが得なのか?
結論は、まったく同じです。割引率は変わりません。
ただ、割引の方法、しくみが違います。
割引額は、月末にその月の利用状況を自動集計して計算されます。そして、翌月にICOCAはポイントの還元で、PiTaPaは請求額の減額で反映されます。
ICOCA 【ポイントで還元】 |
|
PiTaPa 【請求額から減額】 |
|
ICOCAを使う場合は、最初にWESTERポイントサービスへの利用登録が必要です。
その手続きは、駅の券売機やインターネットで簡単にできます。費用もかかりません。
PiTaPaは、登録手続きなどはありません。今からでも乗車すれば自動的に今月分の利用回数としてカウントされます。
ICOCA・PiTaPaには「時間帯指定割引」も
ICOCA・PiTaPaの運賃割引サービスには、上述の「利用回数割引」のほか、京阪神地区限定で「時間帯指定割引」もあります。
これは、毎月1日~末日の間に、JRが指定する時間帯や曜日に利用すると、4回目からの運賃を10%割引するというものです。
【時間帯指定割引の条件】
設定区間 |
|
利用時間帯 |
|
割引の内容 |
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利用回数の集計期間 |
|
「時間帯指定割引」では、対象の区間がグループに分けられています。
同じグループの区間を、指定の時間帯に、1ヶ月(1日~末日)4回以上利用すると、それ以降1回ごとに運賃が10%割引になります。
グループ番号 | 適用区間 | 4回目から割引率 | 普通運賃 |
1 | 京都~西大路 | 10% | 140円 |
2 | 京都~桂川 | 170円 | |
3 | 京都~向日町 | 190円 | |
4 | 京都~長岡京 京都~山崎 |
230円 | |
5 | 京都~島本 | 10% | 320円 |
6 | 京都~高槻 京都~摂津富田 |
410円 | |
7 | 京都~JR総持寺 京都~茨木 |
480円 | |
8 | 京都~千里丘 京都~岸辺 |
570円 | |
9 | 京都~吹田 京都~東淀川 京都~新大阪 京都~大阪 西大路~大阪 桂川~大阪 向日町~大阪 |
580円 | |
10 | 長岡京~大阪 | 570円 | |
11 | 山崎~大阪 島本~大阪 |
480円 | |
12 | 高槻~大阪 摂津富田~大阪 JR総持寺~大阪 |
10% | 270円 |
13 | 茨木~大阪 千里丘~大阪 |
230円 | |
14 | 岸辺~大阪 吹田~大阪 |
190円 | |
15 | 東淀川~大阪 新大阪~大阪 |
170円 | |
16 | 大阪~塚本 | 170円 | |
17 | 大阪・北新地~尼崎 | 190円 | |
18 | 大阪・北新地~立花 大阪・北新地~甲子園口 |
230円 | |
19 | 大阪・北新地~西宮 大阪・北新地~さくら夙川 大阪・北新地~芦屋 |
10% | 320円 |
20 | 大阪・北新地~甲南山手 大阪・北新地~摂津本山 大阪・北新地~住吉 |
410円 | |
21 | 大阪・北新地~六甲道 大阪・北新地~摩耶 大阪・北新地~灘 大阪・北新地~三ノ宮 大阪・北新地~元町 塚本~三ノ宮 塚本~元町 |
420円 | |
22 | 尼崎~三ノ宮 尼崎~元町 立花~元町 |
410円 | |
23 | 立花~三ノ宮 甲子園口~三ノ宮 甲子園口~元町 西宮~三ノ宮 西宮~元町 |
320円 | |
24 | さくら夙川~三ノ宮 さくら夙川~元町 芦屋~三ノ宮 芦屋~元町 甲南山手~元町 |
10% | 230円 |
25 | 甲南山手~三ノ宮 摂津本山~三ノ宮 摂津本山~元町 住吉~三ノ宮 住吉~元町 |
190円 | |
26 | 六甲道~三ノ宮 六甲道~元町 摩耶~三ノ宮 摩耶~元町 灘~元町 |
170円 | |
27 | 灘~三ノ宮 | 130円 | |
28 | 大阪・北新地~塚口 大阪・北新地~猪名寺 大阪・北新地~伊丹 |
240円 | |
29 | 大阪・北新地~北伊丹 大阪・北新地~川西池田 |
10% | 330円 |
30 | 大阪・北新地~中山寺 大阪・北新地~宝塚 塚本~宝塚 |
330円 | |
31 | 尼崎~宝塚 塚口~宝塚 |
330円 | |
32 | 猪名寺~宝塚 伊丹~宝塚 |
10% | 240円 |
33 | 北伊丹~宝塚 川西池田~宝塚 |
200円 | |
34 | 中山寺~宝塚 | 190円 |
※割引率は、2023年4月1日から変更されました。
参考までに、「大阪駅~京都駅」の区間を、1ヶ月間に最大11回乗車した場合について、かつての回数券と、ICOCA・PiTaPaの「時間帯指定割引」サービスとを比べてみました。
「大阪駅~京都駅」は「グループ9」で普通運賃は580円。時間帯指定の割引率は10%です。
なお、この区間の回数券は、11回分を9回分の値段で発売していました(特定区間)。通常より割引率が高いです(一般は9.1%)。
普通運賃 | 旧・回数券 | ICOCA・PiTaPa | |
合計金額 | 6,380円 | 5,220円 | 5,916円 |
580円×11回 | 580円×9回分 | 580円×3回=1,740円 522円×8回=4,176円 |
|
普通運賃と比較して | ー | 18.1%割引 | 7.2%割引 |
回数券がお得さが目立ちます。
でも、一般の回数券は9.1%割引だったので、ICOCA・PiTaPa運賃割引サービスが、そんなに低いわけではありません。
普通運賃に比べるとお得はお得です。
あなたが、「時間帯指定割引」の設定区間や時間帯を、よく利用するようでしたら、ICOCAやPiTaPaをうまく活用するといいです。
ICOCA・PiTaPa割引サービス公式サイト
JR西日本のICOCA、PiTaPaの運賃割引サービスについて、下記の記事も参考にしてください。
最新情報は、JR西日本の公式サイトで確認ください。
回数券に比べると、ICOCA・PiTaPaの割引サービスは、割引率や使い勝手も改悪です。でも、今はこれしかありません。
ひと月の利用回数が多いようでしたら、うまく活用して多少でも節約に役立ててください。
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